第4話
「はぁ。貴方はまだまだ…。私に勝てるわけがない。」
「はぁ…はぁ…まだ…まだ負けない!」
「秘技 美しき血に塗れた葵い絶剣。」
「うっ!あぁ…」
「これで降参だよね?」
「………」
「っと少しやり過ぎた。まぁ……いいか。」
「か、母さん!」
「ごめんなさい!先ずは謝るのが先だと思って。」
「大丈夫だよ!母さん。会えたことを喜ぶよ。」
「……でも、何故俺を置いていったんだ?」
「………それは………」
「クソ野郎の借金で紅井さんの護衛をしていた……だよね?」
「ッ!何故貴方が知っているの?」
「私の名前は紅井 希美です。」
「姉ちゃんの名前は伊藤 碧じゃなかったの?」
「理由があって。ごめんね。朱羅。」
「何処かで見たことがあると思ったら…まさか紅井さんのご令嬢だったなんて……。」
「取りあえず家へ帰りましょう。話は家へ帰ってから話しましょう。それではついてきてください。」
……………
「そんなことがあったとは……本当にありがとう。」
「それで…あなたはどうするのですか?」
「どうするとは?」
「ここに住むのか…旅へ出るのか…ってことです。」
「そんなの一択に決まってる…ここに住む。」
「わかりました。これから賑やかになりますね。」
その日の夜……
「朱羅は私の物。今日は一緒に寝る。」
「いいや!私のものです!!第一、朱羅君を捨てたのはどこのどいつですか?」
「でも、久しぶりの再会だから……一緒に寝てもいい。」
「だったらさ…この三人で寝ればいいじゃん。」
「「それだ!!」」
朱羅は母と姉ちゃんに挟まれながら寝ることになったとさ。2人はなんやかんやで仲良くなったそう。(時々ケンカをする仲に)
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