第13話 罰ゲームマルオカート
他の話を書いた時の3倍の時間がかかりました。楽しんでってください。
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「「ただいまー」」
「おーおかえりなんだヨ2人とも」
帰ってきた俺と紗奈をリビングに居た凛先輩が出迎えてくれる。
「ただいま凛先輩。結衣とタマ先輩は?」
「結衣は星獣の討伐の引率に駆り出されてったんだヨ。本土の方での討伐だから帰ってくるのは2日は最低でもかかるんだヨ。珠音はぐっすりなんだヨ」
「転送装置とやらを使えばはよ帰れたりせんの?」
「基本的に本土に行く時は討伐した後1日の休暇期間があるからそうなっちゃうんだヨ」
「なるほどねぇ」
結衣の悩み聞くタイミング完全に逃したなぁ…帰ってきたら聞くかぁ。
「まぁそもそも転送装置って1日のインターバルが必要だから帰りたくても帰れないのが正しいんだヨ」
「…そんな事いおりん言ってなかったけど…言ってなかったよな、紗奈」
「全く説明されてないですね」
「伊織先生にあんま期待しない方が良いんだヨ」
「酷い言い草だな」
1日インターバルあるとか言う最重要事項教えてねぇしまぁそうなるか。まぁ多分寮長とかが教えるだろ。
「ただいま帰りました…」
玄関で雑談を続けているといおりんが見るからに不機嫌そうな様子で帰ってくる。
「おうおかえりいおりん。なんでそんな不機嫌そうなん?」
「…かれたからです」
「ん?なん」
「伊吹さんと紗奈さんに置いてかれたからですよ!」
…え?
「帰る場所一緒なのになんで一緒に帰ってくれないんですか!せめて…せめて一言!一言くれれば!」
「ごっごめんなさい伊織先生…」
少し引き気味な紗奈がいおりんの頭を撫で落ち着かせる。
どっちが先生なのか分かんねぇなこの絵面。
「うぅぅぅ、ぐす。うぅ」
泣き崩れるいおりんをアイコンタクトで紗奈に託して凛先輩と共に仲良し室に入る。
「…伊織先生はあれで寂しがり屋な所とかあるから許してやって欲しいヨ」
「初対面の仕事が出来そうないおりん何処行っちゃったんやろ」
「そんなん幻想だヨ」
「それ聞いたらまたいおりん泣かない?」
「確実に泣くだろうヨ」
◈
「すみません急に泣き崩れてしまって…って何やってんですか3人で」
しばらく3人でゲームをしているといおりんと紗奈が仲良し室へとやってくる。
追加の1人はふらっと起きてきたタマ先輩である。
「見て分からんかねいおりん。3人の中で最下位の雑魚は罰ゲームのマルオカートに決まってるだろう」
「少なくとも前半は見ても分かんなかったですね」
「鈍いなぁ…」
「針ぐらい鋭くても分かんないですよこれは」
修行が足らんないおりん…。
そんな適当なことを考えつつ横をチラリと見ると凛先輩とタマ先輩がデッドヒートしていた。
「目を瞑ってる人にガチでやって恥ずかしくないの…?凛」
「お前その状態でも見えるだろうがヨ!おらっ!余の赤甲羅を食らうんだヨ!」
「ふふ残念バナナ持ってま…あっ投げちゃった………痛い」
「ふはははさらばだヨ珠音!」
「ブービー争い盛り上がってんなぁ」
まぁ今回のレースの罰ゲーム全力で「萌え萌えきゅん」ってやる事だし本気にもなるかそりゃ。
ちなみに俺は先に2位でゴールである。300CCのCPU強すぎワロタンゴですわ。
「たっのしそうですね皆さん…次から私も参加していいですか?」
「私も参加したいです」
「ぬぬぬぬぬ…!」
「ふおおおおお!」
「おうもちろん大歓迎よ。ローテーションで罰ゲーム決める権利来るから考えといてね」
「了解です」
「はーい」
二人の参加が決定したと同時にレースが決着する。
「大!大!大勝利なんだヨ!」
「うぬぅ…嫌だぁ……萌え萌えきゅんは嫌だぁ…」
「まぁ絶対しなさそうだよねタマ先輩」
「やらなくても……」
「駄目に決まってるだろうがヨ。この前のレースで負けた余はしっかり3回回ってワンって言ったんだヨ」
「うぅぅぅ…うぅぅぅ」
覚悟を決めたのか少しだけ頬を染めながらタマ先輩がその場に立つ。
「もっ、萌え萌え…きゅん…」
普段あまり変わらない表情が羞恥で歪み切りながらもタマ先輩が萌え萌えきゅんをやりきる。
「ちゃんと全力でやれヨ珠音ー」
「ゔえ」
「めちゃくちゃ嫌そうな顔してるからやめたれ凛先輩。やり返されるよ?すぐ」
「む…まぁじゃあこれくらいで許してやるんだヨ」
「ふふ…ふふふ」
唐突にタマ先輩が不敵に笑い始める。
「次の罰ゲーム決めるのって私だよね…?覚悟しててね凛…」
「なんで余なんだヨ!」
「明白だろ理由」
その後は紗奈といおりんも入れて5人で罰ゲームマルオカートを楽しんだ。
【罰ゲームピックアップ】
『1分間ノンストップくすぐり』最下位:凛
「ちょっ、ちょっと待つんだヨ!こんなん横暴も横暴なんだヨ!やり直しを要求するんだヨ!」
「そんなの良いわけ無いでしょ凛…諦めて3人からのくすぐりを受け入れて」
ちなみに何かを察知した伊吹は離席中。
「じゃあ先生1分のタイマーつけて」
「了解です…なんか人くすぐるのってワクワクしますね」
「でっですね」
「余はドキドキが止まんないヨ!」
タイマーの設定も終わり珠音がタイマーを開始させる。
「じゃスタート」
「あひっやめっ、あははは、やめ、やめるんだヨ3人と…あはははは!」
──1分後
「んひっ、ふひ…おっおぉ…」
「……絵面がヤバい」
なんでかは分からないけど伊吹が不在で良かったなと思う4人であった。
『明日までなをにゃと言い換えて語尾もにゃんにする』最下位:珠音
「…もうにゃにも言わないにゃん」
「くふっ。にっ似合ってるヨ珠音」
「ウザすぎるにゃんこいつ…」
「タマ先輩と凛先輩最下位取りすぎじゃない?」
「そろそろハンデも検討するにゃん」
『なぞかけをする』最下位:紗奈
「うえぇ私!?」
「ついに最下位付近を脱却したでごわす(※凛です。罰ゲームで一人称がおいどん、語尾がごわすになってます)」
「辛く…苦しい旅だったにゃん…」
「頑張ってください紗奈さん」
「がんばれー」
1分程ウンウンと唸ったのち、時間をかけすぎたらハードルが上がると踏んだのか紗奈が立ち上がる。
皆の視線を一身に浴びながら紗奈が口を開く。
「えー…では、いきます。神社の巫女さんとかけまして、木工用ボンドと解きます」
「その心は?」
「どちらもかみ(神・紙)につかえる(仕える・使える)でしょう」
「「「「おー…」」」」
割と完成度が高く、それでいて意味が分かりやすいなぞかけに一同感嘆が止まらない。
「紗奈」
「なっなんですか伊吹様」
「これからなぞかけ師として食っていこう」
「嫌ですけど!?」
『土下座』最下位:伊織
「土下座…ですか」
「本当に申し訳にゃいと思ってるにゃん。凛にさせたかった罰ゲームがまさか先生に行くとは思ってなかったにゃん」
「最後のおいどんのキラーが全てを変えたでごわすね」
伊織先生はサンダーを受けたあとキラーに引かれ最下位でした。
「大変ですねぇー土下座ってぇー」
「にゃんか棒読みじゃにゃいかさにゃ。やりにゃれてるのかにゃ?」
「いやいやまさかそんな…ねぇ伊吹様」
「はっはっはいやぁ大変だな!本当に!」
「にゃんでそんにゃに必死にゃんだにゃん?」
その後覚悟を決め土下座をした伊織先生なのであった。
「許しませんよ珠音…」
「今回ばっかりは仕方にゃいと思うにゃん」
『全力でダンスする』最下位:伊吹
「いやハンデキツすぎない?」
「一度も最下位にならない伊吹が悪いでごわす」
「にしたって皆が一周してからスタートはキツくない…?」
「さぁさ早く踊るにゃん。楽しみにゃんね」
「伊吹様って踊れるんですか?」
「得意分野なんだよねダンス。とりあえず着替えてくるからちょっと待ってて」
そう言い伊吹が席を外し部屋に戻る。
「着替えってなんなんでしょうね」
「私は分かりますよ見たことあるので」
「どんにゃ格好にゃんだにゃん?」
「まぁその…頑張って理性を保って下さいとしか…」
「おいどんら何だと思われてるでごわすか?」
そんなこんなで数分後着替え終わった伊吹が仲良し室に戻ってくる。
「ごめんごめんお待たせー」
「もー遅いでごわすよいぶ…き?」
「ん?どしたの凛先輩。見惚れちゃった?なはは冗談冗談」
いつぞやのへそ出しパンクコーデを身にまとった伊吹の姿がそこにはあった。
1度見て耐性がついている伊織先生以外の人はその色気溢れる格好に声を失っている。
「皆どうしたん?まぁいいや早速踊ったりますかぁ」
別の価値観で生きていた記憶があるためしょうがの無いことではあるが伊吹はその様子に一切気付かずに踊り始める。
しかし悲しいかな。女性陣の目はへそとその過程で露出しているお腹に釘付けであった。
のちに彼女たちはこう語った。
あれは見る麻薬だと。
脳が幸福物質を生み出し続けて止まないと。
ご褒美がこれならなんだってやれると。
そんな思いにも気付かず、久しぶりに全力で汗を少し流しながら満足気に微笑むその姿にまた女性陣の目が釘付けになるのであった。
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伊吹は高身長細マッチョの現代に居てもモテモテであろう姿をしています。
性格も好感が持てるのでツイフェ〇思考の攻撃的な弱者集団の男しか知らない彼女らにはまさに劇毒でしょう。
読みにくかったり分かりにくい箇所あれば教えてください。
死ぬ程モチベになるので感想や♡や星無限に下さい。星100目指してます。
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