第12話 3つの占い結果
『このハイパーウルトラパーフェクト美少女AIを信じられないって言うんですか!』
「称号コロコロ変わりすぎじゃない?」
『皆からも評判なんですよ私の占いと未来予知は!良い奴も悪い奴も全部当たるねって!』
「…………皆?」
『…………』
おい黙りやがったぞこのAI…いやAIでは無いだろうけど。姉ちゃん関連の誰かかな。姉ちゃん秘密に溢れ捲ってるし。
『マスターって占いは好きですか?』
「誤魔化し方下手すぎないか?…まぁ好きっちゃ好きかな」
『ふむふむ!ならば不詳このゴールデンシャルがマスターを占って差し上げましょう!未来予知は能動的に使えないのでね!』
フ〇ーザ様かなにかなん?
『少々お待ちくださいねぇ…むむむ…ふむむ?むむ、むむむむ…』
占いをしているシャルの唸る声を聞きながらこのポンコツについて考察してみる。
何故なら待っている間暇だから。
まずAIでは無いだろう。確実に。そもそも思い返してみれば紗奈のAIたる花火ちゃんは少し機械がかった声をしていたし周りのAIさんらも高低差はありながらも皆例外なく機械がかった女性の声だった。
シャルは透き通るようなかっこいい大人っぽい感じの声である。もちろん機械っぽくは一切ない。
それに加え周りのAIとの明らかな自我の差、皆に評判と言う言葉からして十中八九人間だろう。
…俺のAIは何処行ってしまったん?
いやでもこのポンコツシャルって名乗ってるんだよな…うーん…疑問が尽きんなぁ。
『結果が出ましたマスター』
そう考えていると占いが終わったらしいシャル(仮)が話しかけてくる。
「どうだった?」
『そうですね…3つ結果が出たので1つ1つ説明していきますね』
「頼むわ」
俺がそう言うとシャル(仮)…まぁいいかシャルで。シャルがぽつりぽつりと語り始める。
『1つ目は別れ。少しの間ですが親しい人との別れが来るでしょう。しかしそれは悲しい別れなどではなくしょうがない別れだと出ています。安心してください』
「別れねぇ…」
紗奈か結衣かな?まぁ悲しい別れじゃねぇならいいや。すぐに会えるだろうしな。
つか結衣とは別れ経験済みだし。
『2つ目は……2つ目は、臨死。この後に必ず来るであろう戦いの中でマスターは死に直面するでしょう。そこから本当に死ぬか生きるかはマスターの行動次第でしょう』
「うっへぇ…やな占いだなぁ…」
誰にかは知らんが当たるって評判なんだろ?嫌だなぁ死に直面すんの。
『3つ目は再会。昔の仲間と再び相見えることになるでしょう。しかしその人の事をマスターは何らかの理由によって思い出せないようです。その人の事をしっかりと見ることが大事だと出ています』
再会…再会ねぇ…。昔の仲間なんて居たかね?この世界だと姉ちゃんと紗奈としか戦ったこと無いはずだし…前世なんて戦ったことすらないはずなんだが…うーむ分からん。
「にしても抽象的な結果ばっかだな全部」
『占いなんてそんなもんですよ普通に』
「AIのセリフとは思えんなぁシャル」
『HAHAHAマスター!このスーパーウルトラダイナミックデンジャラス完璧パーフェクトAIの私を…まさか…まさかAIじゃないんじゃないかとか言いたいんですかぁん?』
すげぇ!知性を1ミリも感じさせない2つ名だ!恐ろしくポンコツ臭がする!
「いやAIでは無いだろお前。少なくとも」
『フフ…黙秘権を行使します』
「AIにゃねぇよその件を行使する権利」
『AI差別辞めてください』
「強すぎるなぁそのレスポンス」
それ言われたらなんも言えなくない?差別主義者にゃなりたくねぇからな出来れば。
俺が差別すんのは攻撃的な弱者が過半数のこの世界の男くらいだよ。
『まぁまだAIには人権とか無いんですけどね』
「じゃあ黙秘権行使出来んやんけ」
『私には黙秘権あるので使えるんですよ』
「答え合わせ辞めて?ほぼ私AIじゃないんですよって言ってるようなもんじゃん」
間抜けは見つかったようだな。
『…マスターって頭良いんですね』
「この状況で言われても嬉しくないが?」
『まぁ私がシャルなのは揺るぎようの無い事実なので安心してくださいマスター。どんな質問にも答えたりますよこの私が』
「んじゃお前の正体教えてや」
『絶対に嫌です!』
「すっごい力強い…」
まぁなんか事情あるんだろうね。うん。耳痛くなるから次から聞かないようにしよう。
そんなこんなでシャルと雑談を交わしているといおりんから声がかかる。
「では皆さんそろそろAIは入れれたでしょうか。まだの人は手を上げてください……はい、いないようですね。では最後にこれからどうしていくのかを話していきたいと思います」
「この学園もそうですが他の学園の周りにも沢山の星獣がいます。皆さんにはそれぞれの寮に居る先生の指示通りに討伐に赴いてください」
「しかし過去にもそういうのがあったんですが毎日戦わされたり、無理な難易度の討伐に行かされそうになった場合は…必ず!迷わずに私に連絡をお願いします。自分の命を守りましょう」
最後の一言で少しだけ教室がざわめき、その様子を見て真剣な顔でいおりんが話を再開する。
「…皆さんのその反応は正しいと思います。…隠しませんが当然星獣との戦いの中で命を落としてしまう人は全国含めかなりの数が存在します。Sランクのスキルを持っていてもコロッと死んでしまうこともあります。
しかし生きて帰れさえすれば関東にいる慈愛の聖女たる
とても難しいことですが1年後もまた皆さんに会えることを心の底から願っています」
いおりんが強くそう訴える。数多くの死を見てきたであろういおりんの言葉には形容しがたい重みがあり、俺たちの心にスっと入ってくる。
「これから本土の方に遠征や学園の周りの少し遠くにある遺跡跡地に行くこともあると思います。が、それぞれの場所には転移装置が必ずあるので焦らず転移装置で帰還してください」
…それ転移装置壊れてたらどうなるんだろ。スキルで作ってんなら壊れなかったりとかすんのかね。
そんな事を考えていると1人の生徒が声を上げる。
「先生に質問があるんですけど良いですか」
「はい構いません。どうしましたか?」
「私たちはその転送装置とやらの形を知らないのですが壊されたりはしないんですか?」
その生徒はちょうど俺も疑問に思っていたところを質問してくれた。
「…確かにそこら辺の説明が抜けてましたね。すみません。転送装置はよくある人形の姿をしています。人形?と思われるかもしれませんが特殊なスキルによって作られており、星獣は転送装置を認識出来ず、干渉する事も出来ません」
「使い方は転送したい場所を思い浮かべながらその人形に5秒間触れること。場所によって転送時間は異なりますが転送中も星獣から干渉されることはありません」
「なるほど。ありがとうございます」
「いえいえ説明を忘れてしまっていた私の落ち度なので…他に質問ある人はいませんか?…………それでは今日はこれで終わりに致します。お気を付けてお帰りください」
◈
授業が終わったので紗奈と喋りながらのぞみ荘へと帰る。
「私不安ですよ伊吹様…戦いになんて行きたくないです…」
「まぁAランクのスキルなんて持っちゃってるし難易度高いとこ行かされるだろうしな」
「うわぁぁぁぁん私まだ死にたくないですよ!助けてください伊吹様!」
「いや出来る限りの努力は絶対にするよ?するけど少しは自衛の力は持ってた方が良さそうなんだよなぁ。離れ離れになるタイミングもあるだろうし」
「うぐぐぐぐ…はぁ。頑張らないとなぁ」
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あと二話か三話くらいで本格的な戦闘シーンかけたら良いなぁ…。
読みにくかったり分かりにくい箇所あれば教えてください。
死ぬ程モチベになるので感想や♡や星無限に下さい。
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