第11話 AI
「スキルを持つ星獣の強さは他のスキルを持たない星獣とは隔絶しています」
「強みはその圧倒的な身体能力…そして、初見殺しの性能です」
「今現在スキルを判別する方法は検査の時に皆さんも触れたであろう石版ただ一つです。しかし出力されるまで少し時間がかかり人間にしか使えないという欠点もあるため星獣には使えません」
「つまり星獣が、例えばそうですね…発火のスキルを持っていた場合、初撃をほぼ避けることは出来ないのでそのまま死んでしまうでしょう」
聞けば聞くだけ絶望的だなスキル持ちの星獣…。
「過去、Aランクのスキル持ちのSランク星獣が大暴れした時があります。その時は当時の聖女6人、魔女5人、Sランクスキル持ち9人が徒党を組み甚大な被害を出しながら討伐しました。そのレベルの怪物です」
教室内がザワつく。無理もないことだと思うし死の危険が迫ってると言っても過言では無いから逃げたくもなるし騒ぎたくもなるだろう。
「伊吹様…」
「どした?紗奈」
「スキル持ちの星獣が出たら私を見捨てて逃げてくださいね」
「覚悟決まりすぎじゃない?あとそんな事しないから絶対。守るって言ったし俺が犠牲になるよ」
「伊吹様覚悟決まりすぎじゃないですか?」
「お前が言う?」
◈
「では怖がらせるのも程々にして…次はデバイスの設定を致しましょう。デバイスの設定?と思われるかもしれませんがとある機能を入れたり設定しないといけない項目があるんですよ」
まずはデバイスを出してくださいといおりんが言ったので懐に忍ばせておいたデバイスを取り出す。
「まずは───」
しばらく基本となるらしい設定をしていく。使用者設定や位置情報の登録などで語っても眠くなるだけなので描写は消し飛ばしておく。
使用者設定をしたお陰でどんな場所からでもデバイスを呼び出せるらしい。どんな技術なん?
ちなみにこれも後で聞いたら凛先輩がかなり開発に関わってるらしい。
「では最後にAIを入れます。皆さんも使ったことあるかもしれないSiroと同じ感じのものですね。とある人のスキルを用いて作られたAIなので皆さんとの関わりによって色々な変化も見せるので積極的に使ってみてくださいね」
そんな訳でSiro的なアレらしいAIを入れる。使用者登録と名前を登録したら使えるらしいのでパッパっと使用者登録し名前を登録する。
「名前…どうしよ。紗奈は決めた?」
「花火ちゃんにします私は!花火好きなんで!」
「それぐらい気楽な気持ちで俺もつけるか」
んーでも何にしよっかな…。
一人で名前を考えていると登録が終わったのか紗奈と花火ちゃんが会話を交わしている。傍から見た感じAIじゃなくて生身の人間と喋ってる感じの光景だ。
多分AIに横暴な態度とったら嘘教えられるんだろうなという謎の感覚も覚える。
そんなこんなで名前も思いついたので名前を登録し喋りかけてみる。喋りかける時はSiroのように名前を言うだけで起動出来るらしい。
適当に明日の天気でも聞いてみるか。
「『シャル』、明日の天気を教えて」
『了解だ。ちょっと待っててくれ伊吹』
「ちょっと待てや」
『何だ?どうした伊吹』
「どうしたはこっちのセリフ過ぎるんだが?…何してんの姉ちゃん」
AIと喋ろうとしたら姉ちゃんに繋がりましたー…うん。いやどう言うこと?
『まぁちょっと色々あーだこーだあったんだ』
「その言葉だけでは何も許されんが?え俺のAIは?」
『私になったからないぞ』
「先生ー俺のデバイス悪質なウイルスに汚染されてんすけどー!」
『まぁまぁまぁ待て待て待て伊吹!大丈夫だから!私でも役に立てるから!』
「えー…?…明日の天気は?」
『任せろ伊吹。Siro、明日の天気を教えて(小声)』
「聞こえてんだよ」
なんでAIに聞こうとしたら人に繋がってそいつがAIに聞くんだよ。意味わからんだろ全部。
『まぁ冗談だよ冗談。AIはちゃんと設定完了して使えるから安心してくれ。偶に私が割り込むだけだ』
「割り込むなよ…」
その後も少し喋らされ姉ちゃんとの通話?は切れた。久しぶりに喋れて嬉しい気持ちもまぁ多々あるがそれはそれとしてウザかったな普通に。
『ようやく帰りやがりましたか…』
そんな事を思っていた俺にそんな声が聞こえてくる。
「おっお前がもしかして俺のAI?」
『はいマスター。私こそが貴方のAI、超完璧スペシャルハイパーパーフェクトAIのシャルでございます』
「ポンコツ臭が凄い…」
言葉の羅列がアホの子やん。
完璧とパーフェクト同じ意味じゃなかった?何?この世界だと違うの?
てかなんで大分前に大日本帝国以外滅びてんのにそういう英語は生き残ってんだろうな。ご都合主義的な感じ?まぁいいや。
「とりあえず今度こそ明日の天気を教えてくれ」
『お任せを。明日の天気は雨でしょう』
「明日雨かぁ…やだなぁ」
『あっすみませんこれ関東の天気でした。関西は晴れです』
「間違えんなよAIが、場所を」
『ちっちっちマスター。それは時代錯誤という奴ですよ。AIだってミスをします。それを受け入れ許すというおおらかな心をですねぇ…』
「アンインストール出来ねぇかなこいつ」
『ちょっマスター!?役に立ちますから私!捨てないでください!AIの不法投棄は辞めてください!』
「必死すぎるなぁ…いやしないから安心して?…んで役に立つって言ってたけど例えば何が出来るん?」
『占いと限定的な未来予知が出来ます!パーフェクトAIなので!ふふん!』
…ふむ。占いと限定的な未来予知…ねぇ。
「嘘つくなよ」
『いや嘘じゃないですけど!?』
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モチベが湧かなすぎるので皆さん清き評価を無限によろしくお願いします。
読みにくかったり分かりにくい箇所あれば教えてください。
感想や♡や星無限に下さい。無限に。
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