第10話 星獣
朝日が上ったので鍛錬を辞めのぞみ荘の中へと戻る。
1時間後くらいに起きてきた結衣が朝食を作っている間に他の人を起こし朝食が出来上がるのを起きた皆で待つ。
「結局起きませんでしたね佐伯先輩」
「まさか激しく揺らしても耳元で大声を出しても起きんとはなぁ」
「なははは珠音が朝起きることは滅多にないからしょうがないヨ。余も1回しか見たことないヨ」
「逆に1回はあるんですね」
「なんかフラッと起きてきたんだヨ」
そんな会話をしていると結衣が朝食を食卓に持ってくる。
「お待たせー」
「結衣って料理上手かったんだな」
「なんせ下手でも当番が回ってくるからね。美味しくないもの食べさせたくなくて頑張ったよ」
「最初はそれはそれは酷いものだったんだヨ」
「言わないでよ凛ちゃん!」
◈
朝食を食べ終わり身支度をすませてから紗奈と共にのぞみ荘を出る。
「転ぶなよ紗奈」
「いやいや、いやいやいや大丈夫ですよ伊吹様。私を誰だと思ってるんですか」
「過去の記憶全部無くなっちゃったの?」
何故かいつも転ばないぜと豪語する紗奈と話をしながら学校に向かう。
「それでフビライパンが異世界に転生してパン屋を営んでて…」
「普段何読んでんの?」
「そこからドラゴンが店を襲っ…わわわっと」
「ほら言わんこっちゃない…」
何も無い所で躓き、前に倒れそうになった紗奈の腕を掴んで引っ張る。
「すみません伊吹様…」
「なんで何も無いとこで躓くの?」
「私はその…胸のせいで足元が見えなくて」
「…、…それは仕方な…なのにあんな転ばない自信あんの?」
「私なら大丈夫かなって」
「10代特有の根拠の無い自信やめて?」
でも何か大丈夫なんじゃないかって思う時って良くあるよね。俺前世も合わせたらもう30は超えてるはずなのに。
◈
「おはよー」
「おっはー」
「おはよー。あれ今日髪整えた?」
「おっ気付く?ふふんこれで私も大人のレディーの仲間入りって訳よ」
「あんたにはまだ無理じゃない?」
「なんでそんな事言うの?」
仲良さげに談笑している2人組を尻目に空いている席に座る。
「…皆さん凄いですね」
「ん?何が?」
「もう友達作ったりとかしてて…」
「あぁ…うん凄いよな」
俺ら他に喋れる人居ないもんな。いやでも時間無くなかった?女性って10分もあれば仲良くなれるの?凄くない?
少しナイーブな気持ちになりながらいおりんが教室に来るのを待つ。
「武将ゲームしようよ」
「なんですか?それ」
「戦国時代の武将の名前を言っていくゲーム」
「何年前だと思ってるんですか…伊吹様って時々知識古いですよね」
「じゃあアイドルゲームするか」
「あーアイドルなら範囲広そうですしね。面白いかどうかは別にして」
「はい、はい、アーロンマスク」
「うわ始ま…その人アイドルじゃないですけど!?」
どんなのでもツッコんでくれるから紗奈との会話はボケがいがあるなぁ。
「皆さんおはようございます」
5分程アイドルゲームをしているといおりんが教壇に立ち話を始める。
「号令は良いので席に着いてください皆さん」
問題児は居ないのかその言葉を聞き全員がスっと席に座る。
「では今日が最初で最後の座学となります。今日は星獣の特徴、デバイスの設定、これからどうするかの説明などをしていこうと思います。2から3時間ほどで終わるので1時間ごとに休憩をとっていきますね」
そう前置きし話が始まる。
「まずは知ってるかもしれませんが星獣がなんなのか、どうして生まれたのかを歴史の説明付きで解説していきます。えーまず星獣がなんなのかですが、星獣は────」
知っている内容だったので聞いてるフリをしながら結衣について思いを馳せる。
話を聞こうとしたのに昨日は色んなことがありすぎて話を聞くことが出来なかった。
深刻と言う程では無さそうだったが放置すると良くないことが起こりそうなので今日の夜にでも話を聞くことにしよう。
壊れてからではあまりにも遅すぎる。
しかし昨日は本当に色んなことがあったな…俺大人になっちまったんだなぁ。
だから何だと言う話ではあるんだけどさ。
意識の問題で足が速くなった訳でも頭が良くなった訳でもないから実感しずらいのもあるけど。
んで風呂…風呂なぁ…。思い出さないようにしよう。ある人のある部位のある場所が思い出されちまうし。
「では次は星獣のランクについて解説していきます」
知らない話が出たので思考をそこで止めて耳を傾ける。
「星獣に身体能力によってランク付けされており、例えばEランクの星獣だとEランクの戦闘用スキルを持つ人1人、もしくは非戦闘スキル持ち3人とほぼ同じ戦闘力となっております。同じランクの中でも強い弱いはあるのであくまで参考程度でお願いします」
「では何処でランクを判別するのか。それは星獣の右目を見れば判別することが出来ます。Eランクから順に言っていきますが命に関わるものなので出来るだけ早くに覚えてください。デバイスにも送る予定なのでデバイスの設定が終わり次第そこからも確認出来ます」
「では言っていきます。Eランクは茶色、Dランクは緑色、Cランクは黄色、Bランクは赤色、Aランクは青色、Sランクは白となっております。他にも確認されているものとして黒、紫がありますが黒はEランクの下、紫は圧倒的な強さからEXランクだと言われています」
海にいたあいつAランクやったんか。あいつがAの中でどのくらいかは分からんけどAまでは恐らく全力でやれば勝てそうかな。
でも全力出すと体力がなぁ…。
「それに加え稀に星獣もスキルを持っていることがあります」
その一言で教室がざわめく。
「気持ちは分かりますが落ち着いてください。ここで話をろくに聞けず戦地に赴くのは自殺行為以外の何者でもありません」
あくまでも冷静に、淡々と、いおりんは言葉を重ねていく。
「ではそのスキルについて、ここにいる私たちもスキルを持っていますがこのスキルには効果以外に少し秘密があります」
「それはスキルランクによる身体能力への補正です」
…身体能力への補正?
「こちらもEランクから順に言いますがEランクは1.5倍、Dランクは2倍、Cランクは2.5倍、Bランクは3倍、Aランクは3.5倍、Sランクは4倍、私たち聖女が持つEXランクは5倍の補正がかかります。法則性から言ってもし仮にEランクより下があるなら身体能力は等倍のまま変わらないでしょう」
あーだから俺身体能力変わった感じしなかったのか…そりゃ変わってないなら変わった感じなんてせんわな。
てか身体能力の補正倍率えぐくない?いやこれ星獣もこの通りの倍率ならヤバくない?
「皆さん薄々お気付きかもしれませんが星獣であってもこの倍率がかかります。まず先に言っておきますが左目が黒以外の星獣とは基本一人で戦わないでください。まず間違いなく死にます」
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モチベを上げる方法誰か教えてくだちい。
読みにくかったり分かりにくい箇所あれば教えてください。
死ぬ程モチベになるので感想や♡や星無限に下さい。
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