同じ教室
集会は予想通り進み、校長や他の重要な教職員からのスピーチが行われた。「責任」や「新学期を最大限に活用する」といった趣旨の話だったようだが、一体それが何を意味するのか...。
やがて、山崎のいわば「就任式」が回ってきて、他の果てしないスピーチの流れに溶け込むように進行した。椅子にもたれかかりながら興味のないふりをしていたが、実は「大山崎」のスピーチがこの式のハイライトだった。
「...そして、新しい生徒会長として、私は本校の伝統と責任を守ることを誓います。皆さんが学業と社会的な成長を共に達成できるよう、全力を尽くします。生徒の皆さんには、校則を守り、有意義な貢献をすることが求められます。」
そのスピーチは完璧な出来だったが、まるでバターを塗らないトーストのように、驚くほど平坦で乾いていた。薫は笑いを堪えながら、以前彼女がこのセリフを「もっと良く聞こえるように」と練習していたのを思い出した。
最後に校長からの締めの言葉があり、生徒たちはようやく席から解放された。薫はすでに自分のクラス、2-C組を知っていた。それが良いことか悪いことかはさておき、今年も二人の友達と同じクラスだった。
薫にとって毎年の学校生活は、典型的な「友達が毎年同じクラスだ!」ではなく、「担任が毎年同じ...」だった。良い面としては、担任の先生に慣れてきたことが挙げられる。しかし反面、最近では彼女が彼の考えを読み取るのが上手すぎる気がする。
いつものように、聡介と涼真が薫と一緒に歩きながら、今回もどこから見つけてきた話題について喋り続けている。彼らのことは好きだが、時折あまりにも無意味なことを話すので、それに関わりたくないという気持ちも正直ある。学校では静かにしていたほうが得策だと分かっているからだ。
涼真が薫の鞄を掴んで引っ張り、彼を足止めした。「薫!聞いてるのかよ?自販機で何か欲しいか聞いてたんだぞ!」
「あたたたっ、肩を叩くだけじゃダメだったのか?」薫は制服を直しながら苦笑する。「これってどうせ聡介のアイデアだろ?」
聡介は罪悪感たっぷりに笑った。「ああ...朝ご飯食べられなかったんだよ...」
「まあ、どうでもいいけどさ。涼真が俺に支払わせようとしないならいいよ。ソーダで、何でもいい。」
涼真は支払うことになりそうな展開に不満を漏らし、まるで蹴られた子犬のような顔をする。薫には見慣れた表情だった。「薫ちゃーん、俺に払わせるつもりじゃないよなあ?」
涼真と聡介が誰が支払うかで口論しているのを見届けた後、薫は再び静かに立ち去った。何だかんだで授業に行かなくてはいけない、たとえそれが初日であっても。
今日という日は...彼が期待していたほど刺激的ではなかった。無目的に歩く以外の理由で家を出ることに期待を寄せていたが、代わりに、すべてが例年通りだった。同じ人たち、同じセリフ、すべてが同じで退屈だった。
廊下を歩く足音や、生徒たちの話し声、髪の色まで。ただのすべてがそうだった。それは彼が逃げ出したかったものだった - 家の同じ壁に閉じ込められる単調な生活。学校の初日は、最も非日常的であるべき日なのに、それでも他の日と変わらない退屈さがあった。
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