〜19〜U.N.罪なのは彼女なのか?
なんかこの魔道具おかしなものが出来るなぁ……。
「なんとなく、人気が無さそうな魔道具な気がしてきたよ。まぁ見た目が変わらないって言うのは便利だけど……何が作れるかはランダムなのか??」
この魔道具はいったん置いといて、料理を作ろうと思う。
今まではそんなに作れなかったしね。
今回用意するのは……前に買った卵と、バゲット、小麦粉、塩、胡椒、ハードシープの肉、マヨネーズ。
10個くらい作っておいた方が後々いいと思うから多めに作る。
これで何が作れるかはお楽しみで。
「まずはバゲットを焼いて、カリカリにした後。砕いておきます」
これがパン粉になるから作るものが少しわかるかも。
大きめにしておくとザクザクで美味しいので、気持ち大きめにしておきましょう。
「次にハードシープの肉をフォークで指していきます!」
フォークでサクサクと刺して穴を開けていく。ここでしっかりやったらお肉が柔らかくなるからやった方が美味しく出来るんだよね。
塩と胡椒をふって馴染ませておきます。
下味をつけておけば直ぐに食べられるからね。
そうしたらマヨネーズを軽く塗って魔道具の冷蔵庫に入れます。
マヨネーズを塗ることで肉の繊維を柔らかく、水分を保ってジューシーに仕上げることができるんだとか。
マヨネーズを塗り込む時に【料理の心裏】を使っておきましょう。
ポーションを作ってた時はエフェクトが緑色だったけど今回は赤色。
つまり、攻撃バフが乗ったみたい。
そして本来ならここから冷蔵庫で三十分ほど待つところをゲームだから三分くらいで熟成できるらしい。
便利すぎて現実にも欲しいな。
その三分の間に油を温めて、卵も溶いていきます。
バットに溶き卵、砕いたバゲット、小麦粉をそれぞれに分けておきます。
お肉が熟成出来たら卵、小麦粉、砕いたバゲットの順につけて低めの温度で軽く揚げます。
全部軽く揚げたら一旦取り出し、高温にした油で二度揚げをしていきましょう。
「ここで潜らせる程度で揚げるのがポイントなんだよね……これくらいでどうかな?」
油の中から取り出してみたらとても真っ黒に焦げた失敗作のように見えるアツアツのカツ。
試しにカツを切ってみると中は赤い生肉が見える。
「これは生焼けなのか……? いやそんなはずはない」
……けど一応念には念をという事で【料理鑑定裏】を発動。
――――――――――――――――
ハラミ特製カツ レア度:Sレア
ハラミが丹精込めて作ったカツ。
見た目は失敗しているが、
ちゃんと上手くいっている。
効果:攻撃力30%up 製作者:ハラミ
――――――――――――――――
良かった、上手くいっていたらしい。
フレーバーテキストにも『見た目が失敗している』っていじられてる……トホホ、やりたくてやってるわけじゃないんだけどね。
「まぁこれは切っちゃったから食べるか……」
「私も味見するにゃ!」「猫又、食い意地はらないの。こういうものはくれるって言うまで待たないと! 多分、眼で訴えればくれるから!」
急にどこから現れたんだよ……、レベル差の無駄使いだな。
「うおぅ……。まぁ、どちらかというとレイナの方が偉い子に見えてやってる事十分ゲスいからね?」
「噓ッ!??」
「分からないでやっているのが一番罪な女だにゃ……」
まぁそれはそうなんだよな。
罪な女性っていうのはこうやって知らずにやっている人を言うんだな、理解。
「二人とも試食してみますか?」
「そりゃあするにゃ! 見た目が悪いだけで美味しさはピカ1にゃ」「私も食べます~」
2人と一緒に試食をしてみるがやはり見た目は悪い。
黒焦げで生焼けなんでどうしたらできるのか疑問に思う。
だって周りだけに火を通して中は火を通さないようにするのって難しいから。
相反する物を一緒にしてるってことだよ? 考えてみるとヤバいな。
そんなことはどうでもよくて、問題は味。
パクリと食べてみるとザクザクしたパン粉をかみしめ、お肉のうまみがじゅわりと口いっぱいに広がる。
「ザクザクの衣と柔らかいお肉のはぁもにぃにゃ……」
「美味しいですね、ハラミさん! しかも攻撃力30%upのバフまで付いていて……文句なしの一品ですね!」
ニマっと笑うレイナは見ていられないくらい強い後光がさしているように見えた。
猫又はふにゃっと食べていて、美味しそうに食べる二人は見ていて元気が出てくる。
「……ここは罪な人しかいないなぁ」
そうハラミは呟くが、その罪な二人の胃袋を鷲掴みにしているハラミも十分罪な男なのだろう。
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