〜18〜合成後は見当がつきません……?
「よしよし、これで色々食材は揃ったな……やっとだ、やっと料理が作れる!」
「その為に食材セットにゃんて集めてたのかにゃ、変にゃやつにゃ」
「そう言うこと言わないの」
レイナがいけないことを言ったからとチョップをして、猫又は叩かれた部分を頭でさすっている。
「思っていたより痛いにゃ……、エルフでSTRが低いはずにゃのに痛い。やっぱり前線のプレイヤーはレベルが高いにゃ」
「猫又だって十分前線にいるのに何をおっしゃる」
「にゃにゃ、それでもガチ勢とエンジョイ勢には差があるのにゃ〜〜!!」
2人は自分たちの世界に入ってしまったのでこの2人とは一旦別れて料理を作ろう。
……確か今は厨房が空いているはず。
今のうちに行っちゃおっと!
そしてロビーから抜け出してきて着きましたよ厨房。
ここではいろんな機材があるから料理が作り放題! 僕から見れば天国のような場所だ。
「今まではクランハウスでクエストばかりしてきたけど……これからは食材もあるし思いっきり作るぞ!!」
クランハウスに入り浸ってクエストをクリアしまくり、食材セットを荒稼ぎしてきた。
そしてそれを開けて食材が大量にある今、僕は無敵の人間になった!!
「じゃあ、手始めにこの気になってた機械を触るか……」
この厨房でたまたま見つけた魔道具があってですね。
それが何やら食材と食材を合体させることができるらしいんですよ!!
出してみるとただの箱のように見える。
横には穴が空いていて、そこから食材を2種類入れると反対の穴から合体したのが出てくるんだとか。
僕の魔力で動くキッチンのように宝石が付いていて、それに魔力を注ぐと一回使えるらしい。
「じゃあ手始めに、『魔ハーブ』と前に町で買った『魔豚の肉』を入れて魔力を注いだら……」
出す時に手を入れないといけないのだが、形は……棒状のもの??
出してみるとウインナーが出てきた。
しかも中に魔ハーブらしき草が練り込まれているウインナーが出てきたのだ。
僕が直接作ったわけではないので見た目は普通だ。
「どこをどうしたらそうなるんだよ、肉と草入れただけでウインナーが完成するとか……周りの腸の部分はどこから出てきた。見た感じ加熱調理済みだし」
どこからどこまで突っ込めばいいのか……はたまたゲームだから何が起きてもと割り切るしかないのか。
まぁこの魔道具がおかしいのだろう……、僕はそういうことにする。
「じゃあこのウインナーとバゲットを入れたらどうなるんだろう? 予想がつかないな……」
さっきできたウインナーとバゲットを入れて魔力を注ぐ、中から取り出してみると出てきたのは……。
バゲットに生ハムが乗っていて、それにオリーブオイルがかかっている。多分匂いからしてガーリックもあるからブルスケッタだね。
やっぱり見た目は変わってなくていい見た目のまま。
だが、僕が入れたのはウインナーであって、生ハムではない。
なんだこの謎深い魔道具は。
ある意味ポンコツなのかもしれない。
「……まてよ? じゃあこれに【料理の心裏】を使用したら見た目って変わるのか?」
見た目が変わらないでバフがつけれるなら最強じゃない??
と思ってやってみたら、できたのがこちら。
真っ黒焦げになったバゲットに、触るとグチャグチャする得体の知れない生ハム。そして赤いオリーブオイル。
ちょっとグロいな……オリーブオイルが色的に血みたいだし、バゲットなんか焦げちゃってるじゃん。
たまに見ておくの忘れて焦がしたとかのレベルじゃなくて、形容出来ないくらいに黒く焦げてる。
パンなのが形からして見て取れるくらい様変わりした。
でも匂いはさっきと同じだし、匂いだけなら美味しそうまであるし。
「まぁ、作ったからには食べないとか……今度こそマズイとかない? 見た目からして信用できない」
思い切ってパクりと食べてみると、ザクザクしたバゲットにいい塩加減の生ハム。それを纏めるオリーブオイルが口いっぱいに広がった。
やはり見た目と味、匂いが違うから脳内がバグっている……。
「ほんと、なんだこの料理……」と、厨房で呟いていたハラミだった。
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