〜16〜二人は姉妹でした?!
まぁヨシヨシをしてるのを見てるハラミ。それを知らぬかのように撫で続けるレイナさん、撫でられてふにゃっと顔を緩める猫又さん。
しかもそれを厨房でやってるという謎絵図をどうにかしたいものだ。
この撫でている二人を見ていて悪くはないが、見続けていると毒になりそうだ。
「僕は一旦抜けますね、夜ご飯食べないと……」
「またね〜、私達も食べてくるか……」
「そうだにゃ、一旦抜けるにゃ」
こんな廃人でもご飯は食べに行くんだな。勉強になった。
まぁご飯食べに行こっと。
ログアウトを押して
ベットから起きてVRヘッドギアを取る。
「僕のポーションってヤバいんだな……おばちゃんが言ってた理由がわかったよ」
もう今日だけで5、6時間VRしてるな……。
でも楽しいから仕方ない。
「やっぱり料理は楽しい。みんなに感謝されるのは気分が良い。まぁ現実では作る気はないけど……」
朝に買っておいたお弁当を温めて食べる。
そのくらいのものしか作らなくなったな、多分料理の腕は落ちてないはずだけど。
まぁ
「昨日は楽しみで寝れなかったから今日は早めに寝ておこうかな」
二日間でここまで楽しめるとは思いもよらなかった。
……明日はレイナさんのゆっくり動画でも見ようかな。
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一方その頃、レイナはというと……。
「玲奈〜、ご飯まだー?」
「待ってね、夏奈。今使ってるから」
ご飯を作っていた。
レイナというプレイヤーネームも玲奈という名前だからと言う安直なネーミング。
妹の夏奈も
「撫でてー」
「はいはい、ヨシヨシ……」
夏奈はふにゃりと可愛い顔を見せて、それを見ながら料理をする玲奈。
だが、こんなに撫でてもらいたがるのは一人しかいないだろう。
そう、夏奈は猫又としてプレイしてるのだ。
だからあのように撫でているのはそういうロールプレイではなく二人から見れば
ちなみに二人は2歳差で、玲奈がお姉ちゃんである。
「今日のご飯なにー?」
「もやし炒めと、スープとご飯。あと昨日の残りのほうれん草のお浸しだよ」
「わかったー、運ぶの手伝う」
お盆でご飯を運ぶ夏奈と玲奈。
こう見えて玲奈は22歳、夏奈は20歳で一人暮らし(?)をしている。
配信業で生計を立てていて、念のためアルバイトもしてはいる。
ゆっくり解説者で有名な玲奈と、ゲーム配信で有名な夏奈はゲームで有名になった天才とも言える。
その為リスナーがクランを立ち上げ『ユニーカー』のクランマスターとして玲奈は祭り上げられている。
「あのハラミって人面白いねー」
「そうだね、なんか他とは違う感じがするね。裏職業で料理人だし、通常の料理人も取ってて……普通なら違うやつを選ぶんだけどね」
通常プレイならアタッカー2種類か、アタッカーとサポーター、もしくはアタッカーとクラフターが一般的だ。
それなのに二つの枠両方クラフター、しかも料理人と料理人裏という料理しか考えてないある意味【脳筋プレイヤー】だ。
「そうだねー。早く食べよー! いただきまーす!」
「いただきます」
二人一つ屋根の下で仲良く暮らしている。
これから波乱の幕開けなどとは知らずに二人は過ごしていた。
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読んでいただきありがとうございます。
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