〜15〜よく出来たらヨシヨシ……?
「あのー、なんで僕をクランに入れたんですか? ポーション作れる人材は別にいっぱいいるでしょうに……」
「何を言ってるんだにゃ? お前しかあの出来は作れないにゃよ?」
「マナポーションは一番レア度が高いランクになってもMP50回復させられるかどうかだよ? 次の中級だと最高ランクでも150回復出来たらいいねー程度だし。そりゃあそんな人材は欲しいよ、検証もしてはみたいけど……」
そんなに回復量って少ないものなのかな……?
だって僕のポーションはまだ頑張れば回復量は上げれるし。通常だからそれ以上の上のポーションを作ったら全回復どころか差分が出るんじゃ無い?
「一旦キッチンルームに連れてって作ってもらうにゃ」
「そうだね、どれくらいの速さで作れるかわからないし……やっぱりこんな強いポーションなら時間がかかりそうだし」
「わかりました」
猫又さんとレイナさんについて行ってみると大きな食堂を通り奥の厨房に案内された。
色々な調理器具や食器などが揃えられているここでは様々な食材までも用意されていた。
自分の店を思い出すなぁ、涙が出そうだ。また厨房に立てる日が来るなんて……!
「今は使ってなさそうだにゃ……。ポーション作ってみるにゃ」
「わかりました、じゃあポーションを出して……」
「「……???」」
インベントリから作ったポーションを出して、それを持って……。
「【
そして出来上がった二つのポーション。
これって凄いよなぁ、出来たやつを無限に増やせるんだから。
「にゃにゃ?!?! にゃにをしたら一つから三つに変わるのかにゃ?!?」
「君、何した? 料理複製でも二つ作れないし、裏って発音した感じからもしや裏職業……?」
そこまで分かるのか……さすが最前線にいるだけあるな。
「ちなみにメイン職業が料理人裏で、サブ職業が料理人です。料理複製の裏職業のやつでやりました」
「このポーションの倍率とか知ってる??」
「おばちゃんは【料理複製】の二倍と【料理複製裏】の二倍×二倍。合わせて八倍のバフ量になるって言ってましたけど……」
そう言うと猫又さんが腕を組んで考え始めた。
猫又さんが少し考えたのちに何かを理解したように話し出す。
「なるほどにゃ、裏職業のバフは通常職業のバフと別種になるにゃ。だけど料理複製としてのスキルは両方一度に発動するにゃ。バフの計算は足し算じゃなくて掛け算だからこんな馬鹿みたいなバフになるってことかにゃ? レイナ」
「多分その考えで合ってるはず。ヨシヨシ……偉いぞ、猫又」
「ふにゃぁ……」
何この関係、褒める時に頭を撫でるなんて本当に猫なのか??
またはロールプレイでやってるのか……。マジで気持ちいいって顔してるんだよね、ロールプレイじゃ無さそう。
「あのー、マナポーションとかポーションは納品どうすれば良いですか?」
「あ、ごめん忘れてた」
「にゃにゃ? もう終わりなのかにゃ?」
マジで二人の世界に入りやすいな……見てて嫌では無いけど。
美少女二人がそんなことしてて嫌な男はいないはず。
「納品なんだけど、クランで君に個人依頼する。そのクエストから納品すれば良いよ。納品する時はこのクラン内にいれば納品を自動的に完了出来るようになってるから」
「何か欲しいものがあればそれをクエスト報酬にできるにゃ」
「じゃあ……食材セットを欲しいです」
食材セットはレイナさんのゆっくりでやってたアイテムのこと。
ランダムで食材が手に入るらしく、入手するには下級クエストをクリアすれば貰える物。
ほぼ使われないゴミ同然な物だが、僕から見ると食材が一度に貰える神アイテム!!
だけど貰えるのが戦闘クエストが多いらしく、僕は戦闘ができる自信がないので諦めていた。
攻略サイトで見つけた時は神アイテムと思ったけど取得が難しい。
使い道が少な過ぎてマーケットでも出回ることが少ないアイテムらしい。
「そんなので良いの? お金とか珍しいアイテムとかそっちの方がいいんじゃない?」
「お金は今のところいらないし、どちらかというと料理をしたくてこのゲームをプレイしてるので……戦闘なんて考えてないので武器なんて特にいらないですし、」
「変な奴にゃ……これだからあんな気持ち悪いポーションが生まれたのかにゃ……」
僕が好きで見た目を変えてるわけじゃ無いんだけどね……。
この人達なら知ってるのかな……?
「あのー、僕の見た目が悪くなってる理由って知ってます……?」
「多分裏職業の呪いのせいじゃ無いのかにゃ? 鍛治師で作った武器や防具の見た目が厨二病チックになる奴なら知ってるにゃ」
「そうだね、多分その類ではあると思う。……ヨシヨシ、偉いぞ」
「ふにゃぁぁあ〜!」
情報量が多いなぁ。
見た目が悪くなるのは裏職業のせい。他の職で同じような現象が起きてたらしいから信憑性が高い。
そしてまた猫又さんを撫でている。
こんな状況を見続けたらおかしくなりそうだなぁ……。
そう思いながらどこか遠い場所を見つめるハラミであった。
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