〜2〜仕事が欲しいけど無理ですね。

今日、スキップをするくらいルンルンで帰ってきた僕。

「早く異世界の料理を作りたいなぁ……どんな物があるんだろう?」


そんなことを考えながらウキウキでいつも住んでいるマンションの鍵を開ける。

家賃は2万円でキッチンがあるし、風呂トイレ別。


東京に来て一人暮らしを始めてからずっとこの家に住んでいる。

もう今は前の稼いだお金に縋って生活している。



「まぁ、早くやりたいからご飯とお風呂を済ませておこう……!」


お湯を沸かして棚からカップ麺を取り出す。

たまには自炊しているが毎日自炊なんて無理だし、忙しいのに料理をしている暇なんてない。


だからカップ麺とかインスタント食品、簡単にできる料理くらいしか作っていない。

料理に自信をなくしたというか……料理は好きだけどやる気になれない。


「まぁ僕が毎日自炊できる自信がないというのが本音だけど」



料理を始めたきっかけは、ただ僕が作った料理を食べてもらいたいから始めたんだ。

最初は僕の趣味で作っていたんだけど、どれくらい上手くなったのかっていうので力試しでコンテストに参加し始めた。


それでコンテストで優勝してから自信がついて、いろんなコンテストに参加してみるようになった。


一度は人気になったけどそんなのは過去の栄光。

料理に対する熱意が急激に減ってしまった。



それを忘れたいからなのか、単にゲームがしたいからか。

もう一度料理と向き合いたいからからなのかはわからないが、この|Create the world online《クリエイト ザ ワールド オンライン》を始めたいなと思った。


「お湯を入れて3分セット……完璧! 今のうちに準備しておくか。」


VRヘッドギアは持っていて、ネット環境もバッチリ。

今回買ったダウンロードコードを入力すれば始められるっていう状況。


僕はVRヘッドギアをつけてダウンロードコードをポチポチと入力する。

ダウンロード画面になるとダウンロードに一時間くらいかかるようでそれまでは時間がある。


「しょうがない……ご飯を食べながら解説動画でもみるか、」


カップ麺を食べながら携帯をいじって|Create the world online《クリエイト ザ ワールド オンライン》の初心者解説動画を漁ってみることにした。


一番上に出てきたのは『超わかりやすく解説! ctwoの初心者ガイド!』とデカデカと書かれたゆっくり解説動画。


「これにしよっかな」



『ゆっくりれいなだよ』『ゆっくりまりりんだぜ』

そう言いながら解説してくれるのは饅頭のような頭の女の子達。赤を基調とした巫のれいな、黄色を基調としたマジシャンのまりりん。

機械音声が喋ってその女の子を動かしながら解説する動画が五万とある。


なんとなく聞いたことのある音楽を流しながらゆっくり解説してくれるのがこのゆっくり解説の醍醐味だ。


『今日は初心者ガイドだぜ! とてもわかりやすいから見てくれなんだぜ』


そう言いながら淡々と説明してくれる。

最初は簡単な操作説明や、バトルシステムに初心者に必要なアイテムの説明など、etc……。


『このゲームにはメイン職業とサブ職業っていうのがあるんだぜ』

『役職ってことね、どんな種類があるのかしら』


『大きく分けて3つだぜ』


まずは剣士や魔法使い、槍使いなどのアタッカー。

攻撃を得意としていて、戦って戦利品を換金するか狩りをしてお金を稼ぐ職業である。一番人気がある。


次に僧侶や歌唱師、呪術師などのサポーター。

回復やバフデバフなどの戦闘のサポートをする役職。パーティに一人いると便利な役回り。


最後に鍛治師や料理人、錬金術師などのクラフター。

物を作り出したり、採取をしたりする職業。人気が一番なく、物作りをしてお金を稼ぐ職業。



その中からふたつ決めるらしい。

メイン職業は料理系だとして二つ目は何にしようかな……。


『サブ職業は後でも決めれるから、まずはメイン職業だけ決めると良いわ』


「なるほど、後でも変えることができるなら後でにしようかな」

わかりやすい解説動画を当てたようで、これからもこのゆっくり解説を見て情報を集めようかな。


『今回はここまでだぜ、また見てほしいぜ』

『チャンネル登録をして欲しいな』


『『それではまた次の動画で!!』』

動画が終わったから次のを見てみようとした時、なんとなく目に入った動画があった。



『裏職業についての解説!! 最近話題の裏職業とは??』




なんとなく見たい気分になって、見てみることに。

それが僕のプレイに影響が出るとは思わなかった。


==========

読んでいただきありがとうございます。


面白ければ★★★、面白くなければ★。


♡もつけていただけると幸いです。

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