〜3〜裏職業は実在するのか?
「裏職業……? 危ない職業とか??」
そんな裏職業というワードに引っかかりながら見てみることに。
『ゆっくりれいなだよ』『ゆっくりまりりんだぜ』
さっきも見た最初の挨拶をするのを見ながら、ご飯の片付けをする僕。
『最近話題の裏職業についてだぜ』『裏職業ってまず何なにかしら?』
『そこから説明していくんだぜ』
裏職業、それを単純に言ってしまえば通常の職業のレアな種類らしい。
元になる職業を更に強化した職業。だが、それが出る確率はごく僅かで適合しないと現れないんだとか。
だがその分の代償も重く、剣士裏になった人は剣の扱いがとてつもなく上手くなり、経験値が上がりやすくなる。
それだけ聞くと良いと思ってしまうが、魔法系統の被ダメージが五倍になってしまうデメリット能力が付属してしまう。
そのデメリット能力は総じて呪いと呼ぶんだとか。
呪いは解除手段が今のところ無いらしい。
『でも、普通より難易度の高いプレイができるんだと言っていたぜ!』
『ハードコアなプレイを楽しみたい人は選んでみてもいいかもね!』
『でも大体の場合が強いことが多いから、出たら取っておいたほうがいいんだぜ』
……なるほど、僕にはそこまで縁がない話だったのかもしれない。
裏職業、やってはみたいけど何となく大変そうなのはよくわかった。
「まぁ、お風呂入りながら考えようかな」
考えをまとめるために一旦お風呂で頭を冷やしてこよう。
ここまで楽しみに出来るなんてあのコンテスト以来だと実感できる。
また一寸、いや。三寸ほど浮いているのかもしれない。
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お風呂を出てVRヘッドギアを見てみると|Create the world online《クリエイト ザ ワールド オンライン》のダウンロードが完了していた。
「早くやるか……!」
僕は直ぐにVRヘッドギアをつけてベットに寝転がる。
|Create the world online《クリエイト ザ ワールド オンライン》を開くと意識は暗転した。
開いた瞬間に無機質な白い空間に立っていた。
周りを見渡すと女の子が一人立っているのだが、こちらにこいと言わんばかりに手を招いている。
「あそこに行けば良いのか」
歩いてその場所まで行ってみれば女の子が一礼お辞儀をしてくれた。
白くて長い髪に大きめの白いTシャツ一枚の女の子は何となく人気が高そうな感じがする。
「こんにちは、私はこの|Create the world online《クリエイト ザ ワールド オンライン》の管理AIです」
「こんにちは、管理AIだからアイって呼んでもいい? 管理AIっていうのが何となく可哀想だから」
少し悩んだのちに女の子が口を開ける。
「別にいいですよ、アイと呼んでください」
「よろしく、アイ」
アイと呼ぶと満更でも無い様子で説明を始める。
「まずは名前を設定してください、一度決めたら変えることはできないので注意してください」
「わかった。実はもう名前は決めてるんだよね」
お風呂の時に考えておいた名前がある。
僕の名前が
「ハラミさまですね、改めてよろしくお願いします」
「こちらこそ、アイ」
アイはとても丁寧な対応をしてくれるから話しやすいな。どこかの突撃してくる記者とは大違いだ。
「では人種、メイン職業を設定してください」
そう言いウィンドウが表示されて人種を設定できるようになっている。
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人間 オススメ!!
一番オーソドックスな人種。
全体的にステータスが高い。
なんでもできる傾向にある。
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エルフ オススメ!!
魔法や弓の扱いに長けている。
DEX、INTに補正が掛かる。
その代わりにSTRが低い。
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ドワーフ オススメ!!
タンクや重戦士を得意とする。
STR、VITに補正が掛かる
その代わりにAGIが低い。
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この三つがオススメとして表示された。
「アタッカーはやらないからドワーフはダメだな……そうするとエルフもなし、か」
考える間も無く一択になってしまった。
まぁ人間なら見た目も変わらないだろうし、なんでもできるらしいから僕にはぴったりかもしれない。
したいことが多いからなんでもできる方がいいだろうし。
「じゃあ人間でよろしく」
「承知しました。次に見た目も変更出来るのですがどうですか?」
見た目が変えれるのか……気になるかも。
「せっかくだからやってみるよ」
「承知しました」
そして出てきたのは僕のホログラム。
目の前のウインドウをいじると見た目が変えれるみたいだ。
目の色は濃い青に、髪の毛は……黒に少し青を混ぜてみるか。髪の形はそのままでいいかな。
身長とかはそのままにしておこう。動きにくくなったら嫌だし。
そして完成したのがほぼ僕と同じな見た目のハラミ。
周りを見てみるがとてもいい出来だった。
この深い青の吸い込まれるような眼、髪の毛もサラサラな短髪。
あとはそこまで変わらない。
「これで完成」
「承知しました」
そうして完成した見た目を僕に反映された。
鏡を貸してくれたので見てみると少しはっちゃけている僕が見える。
いい感じ……!!
そしてキャラメイクもいよいよ最後に差し掛かる。
「では最後に職業を提示します。この中から選んでください」
職業は自分で好きなものを決めれるのではなく、僕が得意な職業を十種類ほど選んでくれるんだとか。
僕は何が得意なんだろう? そう思いながらウインドウを覗き込む。
そしてウインドウに表示されたのは7つ。
――――――――――――
▶︎ 錬金術師
▶︎ 農家
▶︎ 商人
▶︎ 料理人
▶︎ 短剣使い
▶︎ 神官
▶︎ 料理人裏
――――――――――――
「料理人は……あるな、これで料理人は確定だね」
だが最後の職業を見た瞬間目を疑った。
『料理人裏』があったのだ。
「え? 本当に裏職業があった……? 面白そう……取るしかないでしょ!」
迷わず僕は料理人裏をメイン職業にし、通常の料理人をサブ職業に設定した。
何かと運がいいほうなのかもしれない。
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読んでいただきありがとうございます。
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