第7話 裸の想い

 夕陽と夜の闇が切り替わる時間である。私は女子の制服を着てみることにしてみた。これでも女子なので一通りは持っているのだ。


 スカートは地味な深緑と黒のチェックの柄で胸にはリボンが付いていた。


 するすると制服を着ると部屋にある姿鏡の前に立つ。


 ダメだ、完全に女装だ。その違和感は普段男装しているからではなく、見た目の性別が王子様なのだ。

 

 うん?


 かすみからのメッセージが届く。


『女子の制服を着た?』

『はい……』

『なら、写真を送って』


 そうなのだ、かすみの提案で女子の制服を着る事になったのだ。私は渋々、鏡に映る姿をスマホで撮ると添付画像で送る。


『これは、これで、好物だな』


 かすみは、この色気も無い、私の女子の制服姿が好きだと言う。この写真の何処が良いのか。ホント、小一時間訊問したい気分だ。


 私は不機嫌になり、制服を脱ぐと、下着姿で一階のトイレに向かう。


 しかし、貧乳だな。私はトイレの中で、ブラも取りパンツ一枚で自室に戻る。


 ふ~う。鏡に映った姿はたくましく思えた。王子様として生きていくしかないのか。


 私は短パンにTシャツを着ると狭い部屋のベッドにダイブする。少し蒸し暑い天気には丁度いい恰好だ。


 うん?


 また、かすみからメッセージである。私は麦茶を飲みながらメッセージを確認する。


「ぶう!!!」


 添付写真を見ると思わず吹き出す。それはかすみの全裸であった。その姿は女性らしく、美の極みであった。


 しかし、この写真をどうしろと思う。


『サービスだよ』


 続けて届くメッセージに素直に受け取る事にした。

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