第2話 ウケ

 その後、私が自販機隣のベンチから書道部の部室に戻ろうとすると。かすみが私の後を付いてくるのだ。


 あああ、先ほどのキスが忘れられない。私は少し緊張して歩く。ここはかすみの真意を確かめねば。


「何故、付いてくる?」

「えへへへへ、自分の部室に向かっているのです」


 子供の様に笑う、かすみは可憐であった。言葉通り自分の部室に向かうなら仕方がないな。私は口数も少なく部室に向かう。


 と、書道部の部室の前で顧問の片山先生と会う。


「はい、麗葉ちゃん、丁度良かった、新入部員の元町さんよ」

「ヤダな、先生『かすみちゃん』と読んで」

「はい、はい、かすみちゃんね」


 は?新入部員?聞いてないよ?


 私が顧問の片山先生に抗議すると。


「だから、今、紹介したでしょ」


 それを言われると何も返せない。かすみに一本取られた気分でいると、私は部室前の窓にいた、でんでんムシくんを見つける。


 私は禁止されているでんでんムシくんに話しかける事にした。


「麗葉ちゃん、それはやらない約束でしょ」


 ううう、片山先生に怒られた。それは書道部のアイドルの私が禁止されている事であった。


 片山先生に止められると。それを見た、かすみは口元がωになっている。


 ああああ、嫌な予感しかしない。しかし、かすみはそのまま部室の中に入る。


 あー怖かった、どんな嫌味を言われるかと思った。


「はい、はいーーー、今から写真撮影です。それから麗葉部長の秘密をSNSにアップと……」


 ひいいい、それだけは止めて!!!


「そう?ウケでいいなら止めるね」


 何の話だ、と、小一時間話そうとしたがガールズラブの用語だ。


 仕方がないが、私の性格に合っているきがしてきた。


 こうして、私がウケである事を了承した。

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