第22話 手紙
四条家を出て帰宅した私は姉さんの私物の片付けをしていた。
「ほとんど、研究のデータに関するものばかりだな」目の前が資料の山になっている。
「なんだろ。これ」研究資料の中に私宛に書かれた手紙と思われるものを見つける。
『親愛なる弟、叶太へ』とつづられている。
『いつも話しかけてくれてありがとう。この手紙を読んでいるということはもう私はこの家からいなくなっている頃ですね。叶ちゃんにはこれからとても辛い思いをさせてしまうかもしれません。私が居なくなったあと、四条と名乗る人物と接触するかもしれませんが彼の話に耳を傾けないでください。彼があなたに優しさを向けるのは研究記録が目当てだからです。もし困った時は四宮家を訪ねてください。力になってくれるはずです。またいつか叶ちゃんに会えることを楽しみにしています。 星宮加奈子』まさか姉から手紙を渡される日が来るとは思っていなかったため少し複雑な気持ちである。
「また会おうね、お姉ちゃん」少女は涙を堪えながら手紙を読むが我慢できずに涙を流した。
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