第15話 四条弦水という男
「はじめましてと言った方がいいか」老人は私にそう声を掛けてきた。
「はじめまして、星宮叶と申します」
「わしは四条弦水じゃ」
「ご隠居様、私はなぜここに呼ばれたのでしょうか」
「それは、お主が高校入学をするにあたって話さなければならないことがあってのぉ」
「話ないといけないこと?」
「そうじゃ、お主。中学のクラスでみうという名前の者がおらんかったか?」
「いました。みうとは今でも親友です」
「相手の考えてることがなんなのかうっすらと分かったりもせんか?」
「分かることもあります」
「ふむ。決まりじゃな」
「あの、ご隠居様。どういうことですか?」
「わしのことは弦水で良い」
「分かりました。弦水様、それで決まりというのは?」
「叶よ。お主とみうは●●ということじゃ」●●というのは私とみうの関係についてだ。
「あの、その前に1ついいですか?」
「なんじゃ?」
「弦水様はなぜみうのことをしっているのですか?」
「そりゃ。みうの家とは仕事上の付き合いとかもあるからじゃよ」
「それで、みうは私と●●なことを知ってるんでしょうか?」
「いや、知らんじゃろうな」
「言わなくていいんですか?」
「いいんじゃ。じゃが、みうはお主のことが好きなのではないか?」
「分かりません。」
「そうか。話が変わるが叶よ、かなこから家族のことは何か聞いたか?」
「いえ、まだですが?父も母も仕事で忙しいみたいで」
「そうか、ーー」
「はい」
「もしお主が次にこの屋敷に来ることがあれば話したいことがある。お主の家族についての話じゃ」
「分かりました」そうして私は四条家を出てみうの家に向かった。
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