第14話 春休み②
みうと遊んでしばらくたった頃、私はある問題にぶち当たった。
「姉さん、、」
「なんだい?」
「私が男だってことは周りには話さない方がいいんだよね?」
「そうだね。だけど叶が心を許せる友達が出来たのならその時は君の判断で話しても大丈夫だよ」
「ホント?」
「ホントだよ。嘘ついても仕方ないでしょ」
「そうだよね」私は安心した。みうに隠しごとをするのは辛いからだ。
「そういえば、みうの母親が私のことお婿さんにしたいくらいだって言ってたよ?」
「それは気になるな」なぜなら薬の被験者の情報はラボのメンバーとその研究に投資した資産家しか知るはずがないからだ。
「姉さん?」しばらく返答がなかったが姉さんはとりあえずみうの家に行ってみて欲しいと言ってきた。
「分かったよ」そう返事をすると姉さんは部屋に戻って行った。
「みうに連絡してみるか」みうに今日家に行っていいか確認の連絡をするとすぐに「Ok」と返信が来た。
「姉さん!これからみうの家行ってくるね」一言姉さんに声をかけて家を出た。
「そういえば、みうの家わかんないな」みうに電話することにした。
「なかなか出ないな」電話を切ろうとした時、30代くらいの男性に声を掛けられた。
「星宮叶様とはあなたのことですか?」
「そうですけど、あなたは?」
「私はある方からの依頼であなたを連れてくるように言われた者です」
「四条弦水という名前に聞き覚えはありませんか?」
「四条と言ったら有名な大富豪じゃないですか」
「そうです」
「なんでそんな家が私を?」
「その四条家のご隠居様があなたに会いたいと言っていまして」
「そうなんですか?」
「はい。なんでもあなたに恩があるとか」
「恩ですか。とりあえず、案内してもらえますか?」
「ありがとうございます」私は車に乗り移動した。
「着きました」
「ありがとうございます」
「玄関まで案内します。後は中の者にお尋ねください」
「分かりました」私が連れてこられたのはとても大きな御屋敷で中の住人のところに行くと「お待ちしておりました」と言われ、ご隠居様の寝室に案内された。
「失礼します!お客様をお連れしました」
「入りなさい」目の前には80代くらいの老人が片手で杖をついて椅子に座っていた。
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