第13話 春休み①
「かな、今日は何か予定あるの?」
「みう達と遊ぶ約束してるよ」
「遊ぶのもいいけど勉強もしっかりしなさいよ」
「分かってる」
「高校から春休みの課題出てるのよね?」
「出てるわ!でも、漢字と数学のドリルだけだからそんなに量があるわけじゃないわよ」
「ならいいんだけど」姉さんと話しているとインターホンが鳴った。
「みうね!行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「久しぶり!」
「卒業式からまだ1日しかたってないよ?」
「そうね」
「春休みの課題やった?」
「もう!姉さんみたいなこといわないでよ!」
「それより、バスに乗ろう!」
「うん!」なぜ、みうが私の家を知っているかと言うと卒業式の前日に遡る。
『みう、明日の卒業式、一緒に登校しない?』
『いいけど、どこで待ち合わせする?』
『叶の家で待ち合わせしたい』
『私の家で待ち合わせ?それ待ち合わせっていう?なんかみうがうちに遊びに来るみたいだね』
『卒業式なんだから遊びに行くわけじゃないよ!』みうは1度言葉を止めて私の顔を見てから話を続ける。
『私はね、叶のこと親友だと思ってるの!だから家くらい知っておきたいなって思ってさ』
『親友!』
『嫌だった?親友って思われるの』
『そんなことない!凄く嬉しいよ』
『良かった』
『私もみうのこと親友だと思ってたから』
『嬉しいな!』
『じゃあ、これから家来る?』
『え、いいの?』
『もちろん!』
『家族いるんじゃないの?』
『私の家、両親が海外赴任で今は姉さんと2人で暮らしてるから!』
『海外か!凄いね』
『そんなことないよ!とりあえず、姉さんに連絡するね』
『家に行くこと?』
『うん』そうして、姉さんに連絡を入れてから少しすると『夕飯食べたら?』というメッセージが来た。
『みう!良かったら家で夕飯食べていかない?』
『流石にそこまでしてもらうのは悪いよ!』
『大丈夫だよ。姉さんが言ってるんだし!』
『なら、お言葉に甘えて夕飯食べてから帰ろうかな』
『そうしな!』
『お邪魔します』
『君が弟と仲良くしてくれてるみうちゃんだね!』
『姉さん!?』
『弟?』
『失礼、妹だった』
『私の方こそ叶さんにいつもお世話になってます』
『良かったらご飯食べて言って!今日は焼肉よ!』
『私、焼肉好きなんです!』
『喜んでもらえて良かったわ!』
『叶!早く食べよ』
『そうね!食べましょう』みうは私の家で夕飯を食べてから帰宅した。ちなみに私たち3人は学校で何をしているかなど他愛もない話をしながら楽しく夕飯の時間を過ごした。
「叶、、叶!着いたよ?」
「ごめん、みうと夕飯食べた時のこと思い出してた」
「あの時は楽しかったよね」
「うん!それで、私たちどこに向かってるんだっけ?」
「昨日、ラウンドワンで遊ぼうって約束したじゃん」
「そうだった!」私とみうは夕方になるまでラウンドワンで遊んだ。具体的にはカラオケや卓球などのスポーツだ。
「もう、こんな時間」みうは時計を見ると午後5時を過ぎていることに気付いたようだ。
「遊びすぎたね」私も時間は気にしていたがみうと遊ぶことが楽しくてつい忘れてしまっていた。
「大丈夫だよ!まだバスはある」
「そうね」
「そういえば、近くにバス停ないのよね」
「少し歩かないと行けないね」
「姉さんに迎えに来てもらうね」
「いや、ママが迎えに来てくれるって」
「良かったね」
「たまたま近くでいたみたいで、叶のことも送るよ!」
「そんなの、申し訳ないよ」
「この前は夕飯ご馳走になったからさ」
「分かったわ!ありがとう」
「うん!」しばらくするとみうの母が迎えに来てくれた。
「失礼します」
「あなたが叶ちゃんね」
「はい!星宮叶です!いつも娘さんにはお世話になっています」
「礼儀正しくて良い子ね!お婿さんに来て欲しいくらいだわ」
「ママ、叶は女の子だよ!」
「あら、そうだったわね!でも、私は同性愛もそれはそれで素敵だと思うのよ」
「はぁ、母さんったら」みうは呆れたようにため息をつく。
「ごめんね!いつもはこんなじゃないんだけど」
「大丈夫だよ」
「叶ちゃん、今度は家にも遊びに来てちょうだいね」
「はい!時間が出来た時にでも遊びに行かせてもらいます」
「いつでも待ってるわ」そんなことを話していると家の前に着いていた。
「またね!叶」
「うん!」礼を伝えるとみう達は帰って行った。
「あれ?」今思うと不思議だがなんでみうの親は私の家を知っていたのだろうか。
「今考えても仕方ないか」
「姉さん、ただいま!」
「おかえり!遅かったね」
「うん!少し遊び過ぎたよ」
「たまにはそんな時があってもいいでしょ」私はこの後、お風呂に入ってから夕食を済ませて眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます