第9話
警察手帳の方がまたしても聞いてくる。
「…………」
「未成年か。未成年がこんな時間まで働いて……」
「二十歳です」
「は?」
「二十歳だと言ってるんです」
腹が立つ腹が立つ腹が立つ。
こんな時間まで?
好き好んでこんな時間まで働いてる訳じゃねぇよ。
あたしのことを何も知らないのに、警察ってだけで偉そうに常識を押し付けてくるな。
反吐が出る。
しかし実際は17歳でそれがバレれば店に迷惑がかかる。
こんなあたしを雇ってくれたオーナーに。
給料も良いから、"flower" を辞めさせられるのは死活問題だ。
「小杉、今は……」
「チッ。早く帰れ」
「…………」
それには答えず一歩踏み出すと、後ろで走り去る足音が聞こえてくる。
「ふぅ」
その音が聞こえなくなるのを確認してから、あたしは戻るとネットを外した。
「もういいよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます