第6話

「こっち」



「ハッ!?」



「追われてるんでしょ、こっち」




隠れる場所があるから呼んでいるのに、男は何を疑ってるのか一向に来ない。




「こっちか!?」



「チッ」



「舌打ち!?」




あたしの舌打ちにビックリしてる男。



そんな場合じゃないだろ。




こっちは疲れてるから早く帰りたいんだよ。




「来いっつってんだろーーーーがっっ!!」














ドカァッ!!




「!?」















あたしは男の足に蹴りをくらわし、少しよろけた所で手を掴み引っ張る。




「なっ!?」



「黙りなよ、バレるよ」



「…………」



「ここ入って」



「ハァ!?」




ハァハァうるさいな、変質者か。




「何、蹴り入れてあげようか?」



「…………」




ゴミステーションは結構大きいから人1人入れる。



誰もゴミの中に隠れてるとは思わないだろう。




臭いがそこは我慢してもらうしかない。



あたしは男に寝そべるように言って、仕舞ったゴミをもう一度出した。




「お……」



「黙って、もう来る」




男を黙らせた所で、あたしが来た方じゃない場所から二人の男が現れた。

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