第13話:出でよ、ケーリュケイオン。

「おまえも喰らえ」


カオスは手っ取り早く決着をつけようとまたクチからビームを放った。


「そんなもの、私に効きません」


瞬時に魔法のバリアを張ったキュートはカオスの放ったビームを跳ね返した。


「恐れ入ったな、一気にカタをつけようと思ったがバリアを張れるとはな」


「ビームなんてそんな簡単なこと私だってできます」


「10倍返しです!!」

「出でよ、ケーリュケイオン」


そう言うと、空間から光とともに一本の魔法のワンドがキュートの前に現れた。

キュートはケーリュケイオンを手にして、パワーを注入すると


「デストロイ・サンダーエンジェル」


そう言って超特大の稲妻をカオスに向かって放った。


カオスのビームより10倍強い電撃!!。


「洒落臭い・・・そんなもの・・・」


10倍もの電撃を食らったカオスだったが、カオスもバリアを張って電撃を

跳ねかした。


「くっ・・・まともに食らっていたらヤバかったわ・・・」

「まさかベゴニアピコティ「神」しか使えないケーリュケイオンを操るとは・・・

ただの小娘じゃないな・・・あなどれんわ」

「おまえ、どこの出だ」


「この地球です」


「こんなセコい惑星におまえみたいなやつが居ようとは・・・地球人も、あな

どれんな」


「私のパートナーにならんか?」


「彼氏なら可愛い男子がもういます」

「さ、決着つけましょ?」


ミンクは間髪入れずカオスを攻撃した。


「エクスティンクション・ホワイトエンジェル」


そう言うと再び ケーリュケイオンの先から、今度はさっきより何十倍も凄まじいビームが放たれた。


すかさずカオスは再度バリアを張ったが、キュートのビームにバリアを

破壊されて、カオスはまともにビームを食らって地上に落ちていった。

キュートはそのまま、カオスが落ちたあたりを、めがけて再びビームを放った。

カオスが落ちた一帯は ケーリュケイオンから放たれたビームで一気に薙ぎ

払われた。


カオスが落ちた周辺は瞬時に焼き尽くされ眩しい閃光とともに街の一部は完全に

焦土と化した。


運良く、そのあたりに住んでた人たちは最初にザクロが偉そうにくっちゃべってる

間に警察や自衛隊の誘導によって避難が終わっていて 誰も犠牲にならずにすんだ。


「すげえ・・・なんかSF映画観てるみたいだ」


「あれが俺の彼女?・・・めっちゃ最強じゃん」

「ちょっと早まったかな・・・」

「ケンカなんかした日には、俺、即、消されるかも・・・」


幸いにもハジメがいたあたりは、なんの被害も被らなかった。


UFOの中でふんぞり返っていたパパイヤはその光景を見てビビった。

瀕死の重傷を負ったカオスはパパイヤの UFOに助けられながら捨てゼリフを

吐いた。


「私の負けだが・・・今後の楽しみができたわ・・・かならず地球に帰って

来るからな・・・」


パパイヤは戦意を喪失して這々の態で、これまた捨てゼリフを吐いて退散して

行った。


「覚えてろ・・・バカ娘・・・せいぜい平和を楽しんでおけ、くっ」


「今度・・・地球に来たら・・・ボコボコにして裸に剥いてM字開脚のまま

市中引き回しにして燃えないゴミの日に出してあげますからね」


キュートはパパイヤに上品に悪口雑言を言った。


「おまえこそ覚えてろよ、今度地球に来たらベコベコにしてブラックホールに

捨ててやるからな」


ヘタレザクロも捨てゼリフを言ってUFOに乗ってすごすご引き上げて行った。


「二度と、この地球に来ないでくだいね、おバカのみなさん」


子供の頃、楽しみに見ていたウルトラマン・・・かっこよくやってきて

怪獣を倒すシーンを見て子供心に歓喜に沸いたが、大人になってふと

ある日疑問がわいた。


あれだけ怪獣と激しいバトルをして、ビルや街が壊されても、誰も文句を

言わないし警察も自衛隊も出てこない。

騒ぎにもならない・・・これは?


いっぱい被害を被ってる人もいるのにウルトラマンは弁償もしないで、 勝ち誇って光の国へ帰っていく。

怪獣倒してやってんだから、その辺は「大目に見ろよ」って「三年目の浮気」の

歌詞みたい感じなんでしょうかね。


まあ、なんて夢のない・・・いつから僕はそんな現実主義者になったんだろう。

ウルトラマンにまりたいって思っていた頃の少年のままでいたかったのに・・・。


まあ、SFとかヒーローものは非現実的でいいんだと思うね・・・。

そこに生活感があってはいけないのだ、やっぱ夢とロマンがないと・・・。


ってことでキュートが破壊した街の一部は、その後なにごともなく新たな商業地へ

と変わっていった。


つづく。



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