第12話:リンクス。

すぐに上空に飛んでカオスのところまで来たキュート。


「ほう〜まだ生きてるとは・・・ミキュート、貴様のようなやつは初めてだ・・・

褒めてやろう 」


「ってことで・・・宇宙生命体には宇宙生命体ですよね」

「出てきて、タマちゃん」


そう言うとキュートは手のひらを前に出した。

そしたらキュートの手の上に、ポコンってビリケンみたいなブルーの生き物

「生命体」が現れた。


キュートは魔法を使った。


キュートにタマちゃんと呼ばれた生命体は大阪の通天閣 5階(展望台)にある

幸運の神ビリケン像に似ていた。

タマちゃんは厳密には生命体の魂の集合体。


「タマちゃん・・・ちょっとリンクス貸してくれる?」

「あとでソフトクリーム買ってあげるから」


キュートがそう言うとタマちゃんが自分のポケットに入ってた黄色い生命体を

取りだして空中に放り投た。


するとリンクスって呼ばれた生命体はポンと一気に人間と同じくらいの大きさ

になった。


「リンクス・・・頼むわね」


キュートがそう言うとリンクスの目が三角になってカオスをにらんだ。


「なんだ?妙なヤツが出てきたな・・・自分のパワーでは私に太刀打ちできない

と思って、そんな生命体の力を借りようってことか?」


「リンクスが戦ってる間に私は体力回復させていただきます・・」

「さすがにこのままでは手こずりそうですから・・・」


「リンクス、お願いね」


そう言われたリンクスはカオスに向かって飛んで行った。

キュートとカオスが戦った時と同じようにふたりの戦いはスピードが速すぎて

人間には見えなかった。


唯一キュートだけが二人に動きについていけていた。


リンクスとカオスの力は互角・・・。

だからバトルがあまり長引くようならリンクスには不利。

この地球上ではリンクスは今の体型では5分しか持たないと言うタイムリミット

を持っていたからだ。

早めに勝負をつけないと元にもどってしまうのだ。

でもキュートの体力が回復するまで持ってくれたらそれでよかった。


キュートが見たところ、リンクスのほうがカオスを押していたように見えた。


このままではヤバいと思ったカオスは、なにやらクチからビームのような

光線を発射した。

まるで風の谷のナウシカの巨神兵みたいに・・・。


そいつをまともに食らったリンクスは腹に穴を開けられた。

もともとリンクスは軟体生命体だから、そのくらいではめげないし屁でもない。


ポイポイって自分の腹をハラうと穴はすぐにふさがった。


「なんだ、こいつは・・・不死身か?」


ニタッと笑ったリンクスはまたカオスに向かっていた。

カオスはリンクスの攻撃を受け流しながら今度はリンクスの頭めがけて

ビームを放った。


リンクスの頭は破裂して飛び散ったが見る間に再生した。


「バケモンか・・・こいつ」


バケモンって、まあどっちもどっち。


リンクスはヘンテコな声でケタケタ笑った。


するとカオスの背中から何本もの触手が現れるとその触手の先からさっきと

同じビームは放射された。


何本ものビームを食らったリンクスはさすがに、頭やからだじゅう蜂の巣に

されてバラバラに吹き飛んだ。


リンクスがいた場所には綺麗さっぱりなにもなくなった。

で、吹き飛んだリンクスは消えてなくなったのかと思ったらちゃっかり

タマちゃんのポケットにもどっていた。


5分経ったみたいだ。


「あの人強いね」


タマちゃんがそう言った。


「リンクスでもダメなのね」


「諦めることだ・・・私を倒そうなどと百年も一千年も一億年も早いわ」


「言ってなさい・・・私に不可能なんてないってこと見せてあげます・・・」

「リンクスありがとうね、おかげで体力回復したから・・・」


「さあ、反撃ですよ」


つづく。

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