第6話:猫も見向きもしない会話。

パパイヤが地球に迫って来てることなんか知らない、ハジメとキュートは

ラブラブで街に買い物に 出かけていた。

キュートの可愛い服を買ったり美味いスイーツを食べたりして今は商店街の

ガーデニング テーブルでくつろいでいた。


「お買い物って楽しい・・・」

「ハジメちゃんの街ってなんでもあって楽しいですね」


「キュートとならどこに行ったって楽しいよ、俺は」

「それに日本って国はほとんどの物は揃うからね」

「娯楽やイベントも充実してるし・・・」


「ずっとこのまま、なにも起こらないで平和だといいですよね」


「そうだね、平和が一番・・・ずっと俺んちにいてくれていいからね」

「ずっと俺の彼女でいてくれていいから・・・エッチとか別にして」


「エッチもしないで彼女を放置しておくってのも問題ありだけど・・・」


「言ってることがおかしいから・・・エッチしないでってなんだよ・・・俺の

ことエッチしたいだけのヤツみたいに言っといて・・・」


「だってハグとかチューとかするんじゃないんですか?」

「一応、ハジメちゃんの彼女になったんだから、ないのそういう恋人同士の

コミュニケーション?」


「う〜ん・・・いざとなるとな・・・最初のきっかけが・・・」


「そんなのスッとさりげなくすればいいんですよ」

「こんなふうに・・・」


そう言ってキュートは立ち上がると俺の後ろに回って俺を背中越しにハグした。


(バ、バックハグかよ・・・まじでか?・・・キュンってくるじゃん)

(俺のほっぺたにキュートのツインテールがかかってるし・・・ションベン

ちびりそう)

(ここが街中じゃなかったら間違い犯してるっところだな・・・危ねえ)


「手も繋いであげるし、ハグもしてあげるけど、チューは今んところ予定なし」

「太陽フレアみたいな名前の未知のウイルスに感染するの怖いから・・・」


「だから、そんなもん持ってないよ・・・人をバイキンみたいに言うな」


「そんなにチューしたいの?」


「そりゃそうだろ・・・チューは一番大事な恋人同士のコミュニケーション

だし・・・」


そんな猫も見向きもしない会話をしていたら、なにか店の中の客が騒いでる声が

聞こえてきた。


「なんか・・・店内、騒がしくないか?」


「そうですね・・・」


「行ってみよう」


ハジメとミンクが、店内に入ると、客が全員テレビに見入っていた。

テレビではキャスターが緊急事態をアナウンスしていた。


数隻のUFOが現れて、中から出てきたエイリアンが「地球を侵略に来た」とか

なんとか言っていた。

そういうのは珍しくはないのだが、今回は少し様子が違ってるようだった。


ま、だいたい悪いやつが舞い降りてくるのは大都会と相場が決まっている。

上空から街の明かりを見れば、どこが賑やかな街か分かるわけで・・・。


間抜けなやつじゃないかぎり、ど田舎の畑のど真ん中に降りてもカラスが鳴いてる

くらいだろう。

畑を耕してる年寄りを脅したところで鍬で追いかけられるのがオチだ。


つづく。


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