第2話:名前はキュート。
そんな女の子はハジメに自己紹介した。
「私の名前は「キュート」・・・よろしく」
「あ、俺の名前は|一番 ハジメ」
「ってことは君はうちの家族だから「一番 キュート」って名前になるのかな?」
「いちばん可愛いってことか・・・なるほど合ってる」
ってことでキュートは一番家の家族になった。
今のところ脅威はないってことで、研究所のラボにキュート置いておいても
社会的知識は得られないってことで社会勉強も兼ねてハジメんちに預けられる
ことになったらしい。
キュートはめちゃ可愛いから・・・ハジメは鼻の下を伸ばせるだけ伸ばしていた。
ひとりっ子のハジメにいきなり妹ができた。
まあ、キュートが作られてそんなに経ってないことでキュートはハジメにとって
妹ってことになるんだけど、ハジメにとってキュートはクラスの女子とは違って
特別な存在な気がした。
ただそう思っただけ、スケベ男子の直感。
キュートは学校にも行ってないから当然のようにヒマを持て余していた。
平日はしかたないとしても休みの日は相手してやらないと可哀想って思った
ハジメは社会勉強を理由にキュートを連れて外に遊びに出かけていた。
だけどキュートはどこででも魔法を使おうとするからハジメはヒヤヒヤものだった。
魔法の制御機能はついてないみたいだ・・・野放しだな。
たとえば遊園地のジェットコースターに二人で乗った時「怖いっ」て言って
途中で止めてしまったり、しかも止めた場所がコースの一番頂上だったりするから
スタッフの人たちは故障かとあたふたしていた。
「あのさ、ゆっくりでいいから降ろして・・・じゃないと誰も帰れないから」
「ほ〜い」
あと人がたくさん並んでるアトラクショントとかでも、長く待つのが嫌だって
並んでる人たち全員、他のアトラクションに移動したり・・・。
「邪魔、その一言だった」
そりゃまあ、並ばずに乗れるけどさ・・・。
ガーデンテラスで休憩してる時、何か食べたいって言って、店の厨房で作ってる
はずのスイーツを瞬時に自分のテーブルに移動したり。
「え〜それどこから持ってきたんだよ・・・そう言うのは窃盗ってのになるん
じゃないのか?」
「私が盗んだって証拠ないでしょ?防犯カメラにも映ってないからね・・・」
「ハジメちゃんはいちいち文句言わなくていいの・・・私の好きにするんだから」
「ハジメちゃん、スイーツのお金払っといて、それならお店にも迷惑かからないでしょ」
やってることはいけないことだけど・・・理屈だな。
まるで地球は私のために回ってるのって言ってるみたいにキュートは自由奔放。
ハジメもまあキュートに嫌われたくなくて厳しくはできないでいた。
これで嫌われでもしたら家にいて気まずい思いしなきゃいけないし・・・。
万が一、万が一だけど・・・好きって感情が膨らんで将来的にキュートを彼女になんてことを考えるなら、ここはキュートの好きにさせておうたほうがいいだろうって。
そんなことまでハジメは考えていた。
まあ、もしかしたらこの先地球に攻めてくるワルワルいエイリアンと戦う時が
来るんだと思うと平和なうちに楽しんでキュートにも甘くなってもしかたないか?
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます