38.2℃
欠席連絡を送ってもらっただけで、少しだけ体が軽くなるのはどうしてだろう。
ベッドのサイドテーブルに置かれたばかりのポカリスエットを飲んでから、また目を閉じる。
真っ暗な闇の中で、一定のリズムなのに、荒く、投げやりな呼吸が聞こえてきた。
ふと、少し前に見た、闘病のドキュメンタリーを思い出す。
実は重い病気で、このまま死んだらどうしよう。
確かあの動画の人も、最初は普通の風邪だと思ったって、そう言っていた。
私が、そんなわけないよね。
あの動画の人も、同じことを言ってたっけ。
思考が回るたびに鈍くなっていって、いつからか眠っていたみたいだ。
どこかで通知の音が鳴ってそのことに気付いた。
「13:12」「友達からのメッセージ」「ゲームアプリの通知」
ぼやけた視界で返信を打ちはじめる。
『ありがとう!もう熱も下がってきてて、明日には行けそう』
送信したあと、お腹が空いていることに気付く。
本当に明日には学校に行けそうなのが、少しだけ残念だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます