セーラー服と、笑顔と

いとこのお姉さんの赤ちゃんが生まれた。


大切に抱きかかえたその子を、ベッドに座りながら、いつかとは違う笑顔で、私に見せてくれた。


私は10歳の頃、あなたに憧れた。


あなたのセーラー服。


あなたの長い髪。


あなたの謳歌する自由。


あなたの笑顔。


少しだけ、私を面白がってるような、からかっているような。


そんな笑顔。


あの頃のあなたの方が輝いて見えたなんて、思いたくなかった。


それを悲しいなんて、言えなかった。

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