第3話

「ねぇねぇ、もうすぐじゃない?」

「あっ!第1王子の誕生祭でしょ?」

「そうそう、今まで素顔をお見せしたことがなかったけど、今回は次期国王としてのお披露目も兼ねてるから表にでるらしいね!」

「ちょー楽しみ!きっとイケメンなんだろうなぁ」

「でも、色んな噂があるんでしょ?実はすっごくデブで不細工だって」

「えー?私が聞いたのは重い病に罹ってたから表に出れなかったって」

「こらこら。君達絵に集中しなさい」


この町は今、5日後に行われる第1王子様の誕生祭で色めき立っている。

そのお陰で、大学でもこの話題で持ちきりだ。


(次期王様には余り興味はないけど、5日後か......)


私は絵を描きながらある事を悩んでいた。


(丁度、カイルの誕生日も一緒なんだよね。今年は何をあげようかな…)


カイルは第1王子と誕生日が一緒なのを嫌がっている。本人曰く、


『誕生日に、毎回こんなに騒がれて最悪』らしい。


まぁその気持ちも分からなくはないが。

(そうだ、帰りにフレアおばさんにカイルが欲しそうなもの聞いてみよう)





そう思い立った私は、さっさと課題を終わらせようと手を滑らせた。

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