139479

@Airaku

短編

139749


“ 10月21日


To 自分


あなたは選ばれました!


なんと言う偶然でしょう!

たしかにあなたは選ばれました!

のんびりなあなたにもぴったり!

うしろめたいことはありません!

しっかりと保証されです!

ローンもありません!


139748

↑ ”


ある日、こんなふメールが送られてきた。


なんと言う偶然とか、たしかに選ばれたとか、しっかりと保証されているだとか、ローンもいらない、などなど…。

そもそも自分はのんびりやでもなんでもない。


見るからに怪しい日本語の羅列を見るに、中国の業者のスパムだろうか?しかし、最後の数字と矢印と空白は一体なんだ?


「しかし、久々にスパムを見たな…」

メールの設定でスパムの可能性のあるものは全て非表示にしているはずだが…?


…何かがおかしい。


そうだ、おかしい!送り主の名前がないのだ。

何処か不自然な点を感じたが、正体はこいつだったのか。

多分バグが何かなのだろう。もしや、後ろの数字が手掛かりになっているのか?


好奇心が疼きその数字を調べてみる事にした。後悔するのはそう遅くはなかった。


「なんだよ…これ?」


139748、この数字を打って出てきたのはこの1ヶ月間の累計死亡者数。厳密にはそこに書かれていた数字は139778であった。

しかし、厳密には違えも恐怖に手足が震え、強い吐き気に襲われた。


これ以上調べてはダメだ。


本能が警告を告げる。ブラウザを閉じようとしたその時、139748というサイトが目に止まってしまった。


開いてはダメだ…。


好奇心には抗えない。

開くと、真っ黒な背景に白い数字が「139748」い綴られていた。かとおもうと数字が一個増えて「139749」に変わった。

よく見ると、数字の下には「↑犠牲者」と書かれていた。俺は背筋に悪寒が走るのを感じた。そのまま、下の方にスクロールすると血で書いたような文字で


《頭のみ綴れ》


とだけ書かれていた。それ以外には何もなく、呪いの言葉や、驚かす様なものがなく、それが一層あの数字の不気味さを際立たせた。


「頭のみ綴れ?」

どういうことだ?恐る恐る頭を触ってみたが特に変化はなかった。

試しに洗面台の所に向かい頭を見ても何もなかった。天井を見上げてみてもやはり、何もなかった。

頭に変化は無いようだ。何か頭に書くのか?わけが,わからない…。


「ぷっ…はっはっはっ!あー、そう言うことか!」

俺は気がついたのだ。これがサイトの閲覧数稼ぎであることに。

考えてみればそうだ、あの文章のお尻にあった数字は敢えて1ヶ月間の累計死亡者数にしたのだ。

それで俺みたいな人達は数字だけの名前を見て不思議に思い、調べる。

そして累計死亡者数を見せ恐怖を煽り、好奇心からあのサイトを覗きにいく。そして見事サイトの閲覧数が増えたわけだ。たしかにある意味では犠牲者だ。

多分あのメールの下にあった矢印は、あのサイトと対になる構造のようにする為、ああしたのだろう。

数字が違ったのはこの文を作ったのが何日か前でデータが変わっていたからであろう。


「いやーこれは一本取られ…。いや待て,あの文字の意味はなんだ?」

俺は気になりそれを解く事にした。

タネがわかればもう怖くない、そのなぞなぞを解くと洒落込もうじゃないか!


俺はそのサイトを開き、考える事にした。


あーでもない、こーでもないと考え、しばらく文字と睨めっこしていると、不意に頭に天啓が舞い降りた。


「対となる構造ならば…」

俺は先程送られてきたメールを開いた。

「そして頭を綴れというのは…」

送られてきた文章をメモとペンを引っ張り出して書き出した。


「!」で区切られてる、というよりかは文の区切られている部分の最初の文字、すなわち区切られた文の頭にきている文字だけを綴れば意味をなす文になるはずだ!


えーとなになに?


























「あ、な、た、の、う、し、ロ」



“ 10月21日


To 自分


あなたは選ばれました!


なんと言う偶然でしょう!

たしかにあなたは選ばれました!

のんびりなあなたにもぴったり!

うしろめたいことはありません!

しっかりと保証されです!

ローンもありません!


139749

↑ ”

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