第18話 夜の侵略

ユミ―はアオイを後にして爆発音の場所に向かう。


ユミ―の顔が暗くなる。    


「アオイは…まあ大丈夫だろう」


ユミ―はアオイの心配を全くしていなかった!!


「まあ、将軍まで上り詰めた人だしね!うんうん!」


「爆発音はこっちからした気がする。何か書いてあるな。魔術防御壁調整室?」


そこには大きく分厚そうな扉が立たず待っていた。


「ユリが言うにはこの中で魔方陣の操作を。ゎしていたと言っていたな。入って

みるか」


ユミ―は一回ドアを引いてみると、あっさり開いた。


「な、なんだこれはー」


ドアを開いた先にあったのは荒い鋭い刃物で切られたような傷痕を負った死体だ

った。


「これは、ひどいな。まるで獣に教われたみたいだ」


ユミ―は辺りを見回る。


爆発したような痕跡がない。ここではないのか?

それにここは魔術の解除された跡もない。


もしかして、そうか、魔方陣全体を解除してもただ単に直ぐにバレるだけ。


なら、一点を破って夜に精鋭隊だけを使わせればばれることも少ない。


でも、今回の目的は何なのかが分からないな。


「誰だ?おまえ」


上から声がした。


「あー、ユミ―です」


上を見ると獣のような影が天井に張り付いていた。


「そうか、見られたようだな。殺す」


ユミ―は咄嗟に腕でガードの姿勢をとる。


片腕がぶっ飛ぶ。


「そう、簡単にはいかいねー」


「お前、ユミ―と言ったか。前に戦ったことがあるな」


「俺はお前見たいやつ何て覚えてもいないけどな」


ユミ―は切れた片腕の切り口が焼けるような感じがした。


「なんだこれ?」


「魔術は知ってるか?」


「魔術?まあ、使えるけど」


「魔術は物にも付着させられるんだよ」


ユミ―は片腕の切り口を自分で切ると、緑の液体が出てきて手の形に変形した。


「再生完了」


「俺の持ってる剣は、魔術で妖精の炎で刃が形成されていてな、切り口を永遠に

焼き続けてそれはもう、今までに感じたことのない痛さを痛感すると言うのだ

が、貴様は全く感じないのか?」


「うん!全然。痛みとかよくわかんないね」


「そうか。そういや、ユミーってやつを捕まえろって命令もあったな。それにしよ

う」


「前から俺、指名手配されてるみたいだね。それ、前にあった敵全員が言ってた

よ。それでいて返り討ちにあったけど…」


ユミ―は振り返るとそこにいたのは


「え、エルマ!?」


「おっと、こいつの知り合いか」


顔はエルマのようだが、目の色が違う。


それに、俺の腕をしっかりと切った。もう殺す気まんまんちゃんじゃねぇか。敬

語を俺たちに使うやつがそんなことするか?


「まあ、そう簡単には俺を殺せないだろ?仲間を乗っ取ったからな」


「乗っ取った?」


「前会ったときは、そういやこいつも居たな、最後はこいつにやられたんだっ

け?」


「まさかお前あの時の!!」


「そう。俺は悪魔だ」


「あ、悪魔憑きか!」


悪魔憑きとは、悪魔に体を呪われ、悪魔に体を乗っ取られた生物の事を指す。


「俺はまだ世の中にちゃんと認知されてないからな、これで暴れたって悪魔のせ

い何て言われないんだ」


「じゃあ、何かやらかすまえに祓えばいいだけだな」


ユミ―は魔術で風を出す。


「俺と魔術で勝負しようってのか?いいぜ!やってやろうじゃん!」


「真空バズーカ!!」


「真空バズーカ」


ユミ―は魔術を撃ったが同じ技で相殺された。


「舐められたんもんだな。あんな技で一撃でも食らうと思ったのかね?」


「んなもん知らねー。物は試しだよって誰かが言ってた」


土埃が舞う。


「究極魔術、嵐の刃」


エルマが風の剣を振るうと辺りを小さな嵐が包んだように物が一気に粉々にな

る。


「っ!だぁぁぁぁ!!!!」


ユミ―は風を受けて外の放任遠くへ飛ばされた。


「こんなもんか」


その頃


「はぁ、はぁ」


アオイは紫の男に手こずっていた。


「まってー、逃げるなんて将軍のすること?」


い、今はまず!生き延びなきゃ!!


アオイは木の影に隠れた。


「早く腕の怪我を!!治って!!」


「みーつけた!」


紫の男はアオイの胸元に向かって剣を一直線に突き刺す。

赤い血飛沫が辺りに散らばる。

「ウグッ!!!!!ぐぁぁぁぁ…」


紫の男の剣がアオイの首を襲う。


「やはり、この子の死ぬ未来は見えてたからなぁ」


「お前!何してんだ!!」


暗闇の方からユリの声がする。


「お!君は確か幹部のユリく…」


ユリは紫の男に殴りかかっていた。


「ぐぶぁ!!!」


「はあ、全くこれでアオイは何回死んだんだ?あの人いなかったら、まじで戻っ

てこれんて」


「痛ったあ!!殴られた!親父にも殴られたことないのに!?」


「お前の親父の代わりに何度でも殴ってやるよ」


紫の男はユリとの距離を一瞬にして詰める。


「おっと!急に出てくるとビックリするね」


ユリの手が一瞬光るのが見えた。


「うぉ!!」


紫の男は頭の位置をずらすと頭のすぐ横を黒く染まった弾が通った。


「さすがにバレたか」


「今のは!?」


「今のは俺のスキル黒色弾。指先から黒の弾を撃つ能力なんだけど、反動がスゴイ

のが弱点なんだよね」


「そんなこと言って良いのか?」


「いいよ!だって俺、今からお前の事ぶっ飛ばすもん」


「それはできるかな?俺は未来を見るスキルだから…。あ、」


次の瞬間、紫の男は横腹から殴られ、遠くの方へ吹っ飛ぶ。


「ぐっはああああ」


紫の男は川に着水する。


「やっばぁぁぁぁぁ!!未来でも殴られるんかよ運命ってやっぱ決められるんだ

な」


森の中からユリが走ってきて銃を川に撃つ


「あの距離をこの一瞬で!?」


「知ってるか?俺の持ってるこの銃は強力な電気を使っても核を破壊してるん

だ。だから…」


ユリの撃った場所が光る。


「ピリッ…バチチチチ!!!」


「ぐがががががが!!!!」


紫の男は動きが止まる。


「やったか?」


「この体は使えん!!」


紫の男からローブだけが宙を舞う。


「今回はお前に勝ちを譲ってやろう。おめでとー」


「ガダ」


木の倒れる音がした。


これは!マネキンか…わかってはいたがあれは悪魔か…あの、見た目からしてグ

シオンといったところか


グシオン、紫のローブを着て未来の事を主に伝える。


最近は悪魔もマネキンも媒体に出来るのか。弱いところが難点なのかな?


「さーてと、ユミ―はどうかな?」

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