第十五話 背番号15番
ユミ―達は魔術の練習のため、魔術を使う任務をすることになった。
ヘファイストは早々に今後の任務について説明を行う。
特に特徴はなく、スキルとアイを使わずに凶悪犯罪者を捕まえれば良いというだ
けだった。
その際エルマかヘファイストがいっしょについているので、危機の際には二人の
うちどちらかが助太刀をしてくれるとヘファイストは話した。
「きつくね?」
「自分で少しは防衛魔術を使うといいかもな。それとも、自分の筋力だけを信じ
るか?今のところ、トミーが少し、危なそうだが。絵もあまり得意では無かったようだし」
「俺は…」
「まあ、頑張るしかないけどな」
トミーは何かを言おうとしていたがヘファイストが喋り始めたので口を閉じてし
まった。
「それじゃあ、ここらで解散だ。明日は個々で任務を受けるように!解散!」
訓練が終わるとユミーはトミーに話を聞きに行った。
「さっき何言おうとしたんだ?」
「いや、この前見た夢のことで…」
「なんそれ?」
「いや、大したことないから。でも少し気になっていただけ…」
「ふーん、何か悩み事があるなら俺らにいつでも相談しろよ?仲間だからな」
トミーは少し黙り、小さな声で
「お、おう。ありがとう」
と言う。
「あれ?てか、ヘファイストは?」
その時ヘファイストは…
「来ましたね」
「よう。ユリ」
ヘファイストはユリがいる暗い部屋に瞬間移動魔術で瞬間移動した。
「適当に任務に出させたぞ」
「相手のランクは何ですか?」
「凶悪犯罪者だ。軽度犯罪者と重度犯罪者の真ん中」
「なるほど」
「それにしても、そんな、魔術を早く習得させる必要あるか?」
「はい。近頃、あいつらの様子が変でね…もしかしたら…ユミ―達を狙っている
かも知れないです」
「そうか。だが、その時はお前が守ってやればいいんじゃないか?お前も幹部だ
ろ?」
「そうなんですが、そろそろ。命日が近そうです」
「なるほど、じゃあ最後のあれ。やっとこうか」
「そうですね」
ユリは部屋の奥にある机の引き出しから、黒と金色をした箱を取り出した。
「じゃあ、頼みましたよ」
「オッケー、任務に行く前にやっとくわ」
翌日、ユミ―家のリビングにて…
「この箱に手をかざせ?何でそんなことを?」
ヘファイストは黒い箱をユミーに手をかざさせようとしていた。
「いいから。これは、お前に色々な権利を与えるためのものなんだ」
「はあ、まあいいけど」
ユミーは黒い箱に手をかざす。すると、
「ぐ!うぅ。なんだ?少し力が抜けた」
「よし!ありがとなー!」
箱からは15という文字が出てきた。
「な、なんだこれ?」
「これはお前の背番号を示すようなものだ。お前は15か。ちなみに、トミーは13アミーが6リミーが…」
「あー、いいよいいよ。それよりも任務にいってこないとだし。」
ユミーは玄関に立ち、
「行ってきまーす」
と、だけ言うと任務に向かった。
ユミーの任務は凶悪犯罪者のクライムの逮捕だった。
~~~~~~~~~ジパング国~~~~~~~~~~~
「ここにクライムってやつが居るのか」
ユミーはジパング国のトライツに来た。
ユミーは紙を手に持って辺りにいる人々の顔を見回す。
「なかな違う顔をしてる奴しかないなぁ。まあ、いいか。」
紙にはクライムの顔らしき写真が写っていた。
ユミーはそれと、周りに居る人を見比べて探していた。
すると…
「そんなんじゃ、見つかりませんよ」
肩に手を置き、ユミ―を止めたのはエルマだった。
「いいのか?試練の監督が手伝って?」
「見つけられなければ僕の大事な一日が無駄になるだけです。幹部だから、忙しい
のでね」
ユミーはエルマの顔を見上げる。
「それと、こういうときには空間把握魔術を使うのが最善策だと思います」
「空間把握魔術?なんだそれ」
エルマはいつも着けている手袋から光を出し魔術の紋様をエルマ自信の瞼辺りに
描く
「トルマイト!これは、ここら一帯の情報が分かる魔術です。僕の片目は今、ここ
ら一帯の全ての人の顔を知りました」
「ほおー」
相づちをするユミー
「こっちに来てください!奴は直ぐそこです」
しばらくして暗い通りに出る。
「居ましたね」
暗い通りには、一人のフードを被った暗い人物像があった。
「よかったァ。パイモンからの連絡は正しかったんだなァ。逃げると思ってたから
よォ」
「パイモンってのは、ハラシンのあれか?」
「ハラシンじゃありませんよ?ゲンシンですよ?」
フードを下ろすと、出てきたのは刺々した髪の毛と紅色に染まった目だった。
彼はまるで、悪魔のようだった。
「クックック!!これは楽しそうな遊び相手だ」
「!!」
エルマは目を大きく開く。
「この方は少し手強そうですけど大丈夫ですか?」
ユミーに聞く。
「まあ、大丈夫だろう。一回戦目からやってやるよ!」
ちからの籠った声だった。
「そうですか…もし、ピンチにでもなったらいつでも声をかけてくださいね」
エルマは指を「パチン」と鳴らすと、光に包まれどこかに消えていった。
「クゥークックック!!お前一人で俺を倒せるかな??」
「所詮は凶悪犯罪者の部類だ。一瞬で倒してやるよ」
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