第14話 只今、魔術訓練中!!

メトルア共和国、アールグレイ支部。


ゴツゴツとした岩場にて、ヘファイストとユミ―達は魔術の特訓をしていた。

「はぁはぁはぁ」


「魔術を仕様するには、まず、フェジカルを強くする!魔術は妖精から成り立つ

が、魔術を発動すると自分のエネルギーを妖精に持ってかれる。それをもとにし

て魔術を発動するから体力をつける!追加で腕立て伏せ2000回追加!」


「えぇぇぇぇぇぇ!?」


アミーが大声をあげる。


腕立て伏せが終わるとヘファイストは机の隣にいた。



「次にお絵かきだぁぁぁ!魔術の紋章は決められていた魔術の紋様をどれだけ完

璧に写せるかが重要だ!そのため、絵を描く!絵を描いて上手くなるぞぉぉ

ぉ!!!」


そう言うとドサッと紙の積み重なった、タワーを出す。



「これ、全部描くぞ?」


「えっ!?」


アミーの中に衝撃が走る。

しばらくすると次の課題、次の課題…


訓練が終わるのはもう少し後の話だった。



ユミ―達が家に帰ってきたのは、すっかり日が沈んだ頃だった。


「あー、疲れたぁ」


「まじで、魔術なんて、こんなんで習得できるのかなぁ?」


「仕方がないよ」


「俺は先寝てるぞー?」


ユミーは部屋に入り、吸われる用にベットに横たわる。


「はぁぁぁ」


ため息をした途端、直ぐに寝てしまった。


ユミーは深い眠りにつく。


暗い中、ユミーは頭の中で声が聞こえた。


「夢の先で待ってるよ。じゃあね」


それは、女性の緩やかな声だった。


ユミーは夢の中であってもしっかりと、心の中に刻まれていた。



目が覚め、ユミーは起きると聞き覚えのある声だけが頭に残っていた。


いつもの訓練が終わり夕日の赤い光が辺りを満たす頃、ユミーはヘファイストに

今日の夢のことを話していた。


「なあ、なんか女の声がずっと残ってるんだけどどう言うことかな?」

「え?気になる人でもできたか?」


ユミーは首をかしげる。


「気になる人とは?」


「おいおいマジか。」


ヘファイストは驚いた用に口を大きく開けながら言った。


「いいか?気になる人ってのはずっと意識する人のことよ。俺もいたなぁ~そん

な人」


「ヘファイストにもいたのか?どんな人だ?」


「あー、いいよ。俺の元婚約者のはなしなんだけど…」


ユミーは驚くかおで言う。

「え?ヘファイストって結婚してたん?」


「まあな。この年だから。」


「はあ」


「俺の元婚約者はな、美人だった。その婚約者はとても気が強くて、でも、うっ

かりとお茶目なところもあって、負けず嫌いでもあって、凄くかわいいんだ。」


ユミーはかわいいという言葉、と横に並ぶおじさんの髭面がどうも合わないと思

った。


「でも、俺の仕事が多くなってきた時に俺の婚約者はいつの間にか他の男に手を

出していた。その男は、どいつもこいつも顔が整っている、いわゆるイケメンって奴と…」


ぼそぼそと何かを呟いたが、ユミーには聞こえなかった。


「だから、俺は俺の婚約者に言ったんだ。そんなに若い男が好きなら、ずっとそ

うしてればいいって。多分ショックでそれしか思い付かなかったんだろうな。そ

れから、俺は元婚約者と会ってもいないし、会いたくもないと思っている。」


ヘファイストは目に涙を抱えていた。


「でも、俺は今も愛していると思う。あいつに、幸せになってほしいから会って

ないけど。」


ユミーはヘファイストの顔を見て、今の状況を察した。


「大事な人とか俺はわからんけどさぁ、とても辛い時期を乗り越えてきたんだ

な」


ユミーは夕日時に寂しい場所を和ませようとしていたが、からっぽの自分には無

理だと思い、ヘファイストの背中を少し軽く叩くがなにも言葉が出なかった。




翌日になると、昨日のことは全く気にしないで、いたように見えた。

でも、心の中ではずっと苦しいんだろうなぁ。


「それじゃあ訓練を始める!」


ヘファイストがユミ―達を前に、訓練の指揮をする。


「まずは腕立て伏せ2000回!」


ヘファイストは見回っていると、昨日よりもユミーのペースが早いことに気づ

く。


「おいユミー、少しペースが早いような気がするけど、大丈夫か?」

「あぁ大丈夫だ」


昨日の時の話は出さなかった。


「そうか、ならいいんだが」


それからと言うもの、ユミーの腕立て伏せのペースが早くなっている。


なぜかは知らないが俺があの話をした日を境にユミーの筋力が向上している気が

する。いや、向上させている?よくは知らないがいい調子だ。




時は進み数ヶ月後…


ユミ―達が訓練をして終わった後、ヘファイストから発表があった。


「えー、お前ら、よく頑張った。多分基礎的な魔術の土台作りは完成したと思

う。なので、ここからは任務をこなして、魔術を習得してほしい」


「具体的にはどのようにするのでしょうか?」



レミーが質問をする。


「そうだな、任務をスキルとアイ無しでこなしてほしい。つまり、武器と魔術だ

けを使って戦えってことだ」


「え!?」


アミーがショックを受ける。


「しかも、ランクは凶悪犯罪者だ」


「え!?え!?えー!?」






マイフレンズ豆知識

アールグレイに届く任務の依頼は、5つに分けられる。罪が軽い順に並べると

軽度犯罪者

重度犯罪者

大犯罪者

国際犯罪者

大罪人

となる。

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