第十三話 魔術の講座

「「あ!」」


ユミー達はヘファイストの顔を見て、驚いた様子だった。


「なんか、すごい偶然だな」


「あ、あのときの!…なんだっけ?」


ヘファイストは転けるような仕草をかます。

「俺だよ!俺!アールグレイ、技術者のヘファイストだよ!」


「あぁ、いたなそんな奴」


「俺ってお前らよりも上司なんだけど?」


空かさず質問をするケミー


「ヘファイストって魔術も使えるのー?」


「お前らに教えられるほどの力はついてるよ??」


エルマが少し驚いたような顔で言う。


「なんかの知り合いですか?」


目を細くしてヘファイストが言う。


「腐れ縁的なやつ」


「俺は幹部の仕事で忙しいのでヘファイストから魔術のあれこれを教えてもらっ

てください。まあ、目標は究極魔術でも、覚えてくれたら上出来です。じゃ!そゆ

ことでお願いしますぅ~」

と言うとエルマは辺りの土に何か文字や図形を描くと、


「テレポート」


と、言ってエルマの体が粉になって消えてしまった。


「あ、あれってなんだ?」


ユミーは気になりヘファイストに聞くと


「あれは、瞬間移動魔術だな。一瞬で目的地に移動する魔術だ。まあ、あんな風

にやるわけだ。わかった?」


軽く聞く。


「わかんない」


目が点で難しい顔をしながら、答える。


「では改めて説明するわ…」


「やったー(棒)」


ヘファイストは指先を光らせ、空をなぞる。


「カミナリ」


と、唱えるとヘファイストが空をなぞった辺りから、電気のようなものが一直線

に岩に向かってぶつかった。


響くのは雷の落ちたような激しい音だった。


「こんな風に魔術の紋章を何処に描くことによって魔術は成立する。魔術には、

二つの種類があって、日常的魔術と、戦闘的魔術がある。攻撃魔術は戦闘的魔術

の中にはいる。」


ヘファイストは手を「パン!」と叩くと


「それじゃあ、魔術はまず妖精との契約の下使えるようになる。魔術を使えるようになるための儀式を行うぞ!」


そう言うとヘファイストは分厚い本を出した。


本を見ながら、ヘファイストは地面に魔術の紋様を描き始める。


それが終わるとヘファイストはアミーを魔術の紋様の中心に立たせた。


「え?何?何がはじまりの???」


アミーはとても、混乱していた。


「あ、乙」


「逝ってらっしゃい」


ユミーとケミーはにこやかに笑いながら、言った。


ヘファイストは自分の持っていた、銃でアミーを体をピクリともさせないように

固定した。


「え?こわいこわい!!待て!ヘファイスト出して!!」


「アミーよ、それは契約が終わってからにしてやる。」


ヘファイストは一息ついた。


「魔術と契約する者よ、妖精のご恩とヘカテーの加護あれ!グラメイス!!」


魔術の紋章が光り、アミーを包む。


「うえええええええ!?」


光の中から、叫び声が聞こえる。


「あー」

ユミー達は苦笑いをしながら後ずさりする。



「まて。」

ヘファイストがそう言うと、アミーを包んでいた、光が消えていった。



「お、おお!」

光の中から出てきたのは、お肌のつるつるなアミーだった。



「なんか、わからんけど顔のふけとかアカが全てなくなった気がする!!」

「そんな効果ないよ」



「なんなん?」

ユミー達に向かって、ヘファイストは言った。


「まあ、こんな風に全員やってくわ。」


一同はこの時だけ思っていることが重なる。



「光の中では何があるんだ???」

「ちなみにユミーはしなくてもなんか、使えるみたいだから、いいわ。」


「何でぇ?」




~~~~~~~ヘファイストの魔術講座~~~~~


「魔術は妖精から成り立つ。妖精は小さいため目に見えないが、いつもそこらじ

ゅうを飛んでいる。そいつが魔術の源なわけだ。ちなみに妖精の集合体が妖精族

で、妖精族ができる確率は宝くじが当たる確率の3分の1だ。」


「へー、興味ないなー」

「妖精族は基本的に美男美女が多いぞ!」


「は、はあ」


トミーがため息をつくような返事をする。

「魔術の構成についてだが、魔術は魔術の効果の範囲を決める線を書いて、次に特殊なルーン文字と言う文字を使って魔術の効果の詳細を書く!最後に魔術の種類に沿った、円や多角形を書けば完成だ。」



おわり!

「ふっ」

(余裕の笑み)


「魔術なんてまぁ俺にとっちゃあそんなん、簡単なもんよ?」


ユミーは首と腰を同時に縦に振るダンスを踊る

「おぉ!調子こいてんなー??やってみろよ?ちなみに一番魔術で手早くしやす

いのは、風を吹かせる魔術だ。手本を見せてやるから、真似してやってみ?」


ヘファイストは指を光らせ空をなぞると、光の紋章ができ、呪文のようなものを

言う。


「風吹(ふうすい)」


光の紋章から強力な風が吹く。

「やってみ?」

ユミーは見よう見まねでやってみることにした。


「ちなみにぃ、指を光らせるのはクレペリアントって言うと、魔術の紋章が描け

る指になるぞ?」


「へぇ、クレペリアント!」


ユミーの飛び出した指が光る。


「見た感じでは、まず、丸を書いてから、周りにルーン文字を描いて、また丸を描いて、四角を丸の中に描く。でけた!」


ユミーは力を弱くすると指の光が消えた。


「風吹!!」


紋様が光出し、風が吹く。と思ったら、紋様は段々と光を無くして薄くなってい

き、紋様は時期に無くなってしまった。



「あ、間違えた。」


「今の失敗の原因だが…」


ヘファイストは息を吸う。


「円の形がおかしい。円は範囲を決める為の線だからお前の円はなぜか開いてい

るところがあった。はみ出してもダメだ、文字の配列もおかしい。ルーン文字で

のwindの配列がwdinになっている。、円の配列もだ。中の円は魔術の発動条件の

話で、俺は心の中で指示したら発動するようにした。だが、お前のこれはなんだ

かよくわからん。それ以外にも他多数。まあ、これから直していけばいい話だけ

ど。」


ヘファイストは拳を手のひらにうつ。


「じゃあ、ヘファイストの魔術教室のはじまりだ!」

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