第12話 幹部になりました

リビングでくつろいでいるとトミーの口から信じられない事が飛んできた。


「なんかユリが幹部になったらしいよ。」


「は?」


その頃ユリは…


アールグレイ、本部、会議室。


「ど、どうも」

「やあ、ユリくん。今回、君が新しい幹部か。」


「あ、はい」



ユリは訳もわからずに幹部をしているように見えた。




「へー、ユリが?」

「そうそう。」


あれ?でも、前、俺に幹部にさせるからってちょうど一ヶ月くらい前に重大任務

を渡された気がするけど…


と、思ったユミー。


「へー」


と返事する。




次にユミーの家にユリが来たとき…


「お前幹部になったんだ?」


「うん。なんかね」


ユミーはユリを見つめて、言う。


「前は、俺を幹部にするとか言ってなかったっけ?」


ユリは汗を流しながら答える。


「あー、そんなことあったな~」


ユリの棒読み具合には驚かされる。


「何で?」


「はは~」


「もしかして、あの任務。無駄なだけか?」


「な、なわけないでショー」


またも、先程と同じ棒読み。


これに、ユミーは流石に違和感を覚える。


「そ!そうだ!ユミー!今度から訓練をするときには、魔術の教えを受けてもら

うよ!」


ユミーは首をかしげた?


「魔術?」


「あぁ、魔術だ」


「話そらすな?」


「とにかく、今度の訓練の日はここに行くように。これ、あいつらにも回してな?じゃ!」


と言ってユミーに紙を渡すと家から出ていった。


「ちぇ、あいつ皆と喋ってるんだから、この紙ぐらい自分で配ってほしいもん

だ。」


そう言ってリビングの隅に付いている赤いボタンを押しながら、こう喋る。


「全員にお話があるのでしゅうごー」


しばらくすると少しずつ仲間が集ってきた。


「なんかあるの~?」


元気な声でケミーはトミーに聞く。


「いや、わかんない。」


全員が集まるとユミーは少し高い所に立って。

「はいはーい。みんな聞け?これから、研修の訓練があります?」


ユミーは紙を見ながら読み続ける。


「これから皆さんに行ってもらうのは、魔術の特別訓練です。なので今度の訓練を

するときは下に書いてあるところに集合するように。と、ユリから伝言をもらっ

た。」


リミーが手を挙げる。


「それって、魔術?とか言う奴の訓練ってことか?」


「そういうことだろう。今回は特別教師として、幹部のエルマって人が魔術を教

えてくれるみたいだ。」


「魔術ってなにー?」


ケミーが威勢よく聞く。


「しらん」

言葉のキャッチボールの筈が、ユミーにはホームランを打たれてしまった。


と、心のなかでケミーは思った。


「とにかく!明日に訓練があるから、詳細は今度、聞けばいい。それじゃあ、明

日は気合いいれるぞぉぉぉ!!」


「おー!!」


と、答えたのはケミーだけだった。


その日の夜にはユミーは少しウキウキして、あまりねられなかったらしい。




翌日…


「今日から、魔術の特別訓練を始めます!」


幹部のエルマ・ファーストが大きな声をはる。


「今回の担当者のエルマです。皆さん、よろしくお願いします。で、こっちに居る

のが、教育者のヘファイストです。」


「えー、どうもなんか来いって言われてきてみたら、教育者呼ばわりとはどうい

うことでしょうか?」


「「あ!」」

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