第8話

マイフレンズ

第8話 不思議な魔術師

家の前には不思議な影が…

(よーし!夜の間にユミーとか言うやつの家に入っちゃおー!)

彼女の名前はマース・アンサイド

妖精族。

彼女はある理由から、ユミー達に近づこうとしている。

彼女は家のドアの前に立ちドアノブを掴み開けようとする、がドアは開かない。

(ぬ!鍵が掛かっている!では!)

彼女は家の周りを歩き窓のあるところで止まる。

彼女は少し体から光りを発すると、体が光の粉になった。

「むにゃむにゃ」

なぜかユミーに一瞬光が差し込む。

ユミーの部屋の一部に光の粉のようなものが集まり人の形になり、やがてマースが現れた。

(私は光の通る所に移動できる体だからこんなの余裕よ!)

自信気に微笑むとぐるりとユミーの方へ向いた。

(さてと、この子の家には任務の報酬の履歴書が残っているはず…)

暗闇の中、自分が発している光りを頼りに物入れの中にある任務の履歴書をゴソゴソと探る。

(あった!!)

手に取ったのは一枚の紙だった。

(何々?)

「ケンナ王国ノ暴力団捕獲ノ報酬ヲ示ス。100000イエル」

後ろから片言な声が聞こえた。

「だ…」

家は静まり返り妖精の光りも取り除かれ、其処にあったのは、静寂とちょっとしたイビキだった。


翌日…

「え?」

ユミーはポカンとしてユリの話を聞いていた。

「いやだから、幹部のマース・アンサイドってやつが今日、記憶喪失で基地の北部の入り口にいたから幹部として、成果を挙げるぞって話」

ユリは長々と文を並べて言った。

「つまり…要するにこの組織の幹部になれと?」

ユミーは整理した文をユリに向けて言う。

「まあ、そんなとこだ」

「何で俺だけに?」

ユミーは手を頭の後ろにつけて質問した。

「トミーも候補としてあるのだが、今では厳しいからな」

「だから!何で、リミーとかアミーじゃないんだ?」

ユミーは少し声をあげて言った。

「まあ、諸事情よ」

「その諸事情ってなんなんだ?」

フフと笑うと

「それを言ったら諸事情じゃなくなるだろ」

「はあ…」

ユミーは呆れた顔でユリを見た。

「特別に重要なミッションをやるよ」

ユミーはユリと逆の方向を向いて、少し眉をひそめる。

「任務か~」

「でも、この任務を成功させると、一気に少佐レベルまでは行けるぞ?」

ユミーはすぐにユリの方を向く。

「マジ?」

「ああ」

ユミーは少し怪しんだがやることにした。

「じゃ!成立だな!でも、覚悟しろよ?」

ユミーは少し?が浮かびながらも

「お、おう」

と、返した。

「この世界は楽して通れることなんてないからな。」


そのあとに、アールグレイの所属している隊員、全員に幹部の選抜が1年後にあると、伝えられた。

どうやら、マースの記憶喪失はかなりの重症で、戦いのコツやスキルの使い方を永遠に忘れる可能性が高いらしい。

なので、1年後までに記憶喪失が治ったら選抜は全て無しになってしまうらしい。

とにかくユリの話によると幹部と言うものは実力を見分けて決まるものなので幹部自ら新しい幹部を決めるらしい。

今の内に実力を積むと幹部に任命されるのでユリは幹部になることをおすすめしてきた。ユミーは少し考え、何事も挑戦だと言うユリの言葉でやってみることにした。実はユミーも少しやってみたかったのかもしれない。


数日後…

ユミーは一人、宙港というところに立っていた。

「ふう」

ユミーは一息ついた。

「重大任務とやらを、クリアしようじゃないか!!」


#マイフレンズ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る