第1話 お昼ご飯①

「山田さんおはよー!」


「…おはよ」

 最近、高校生活における悩みがある。隣の席の夕陽さんがものすごく話しかけてくるのだ。

正直困っている。困っているは言い過ぎとして困惑していた。

私は、高校生活はそこそこで過ごせばいいと思っている。楽しもうなんて思っていない。

夕陽さんは明るいし、社交的なのにこんな辺境みたいな私の近くに来るのか不思議でならない。



※※※



「一緒にお昼ご飯食べよー。」

昼休みになると、夕陽さんがまた近くにやってきた。正直、人と食事するのは苦手だ。でもまぁわざわざ拒否して波風を立てる必要もない。


「…まぁ、いいけど。」

「やったー!」


なにがそこまでいいのかわからいが。

そんなこんなで、普段より狭くなった私の机で空腹を満たす。


「おぉ山田さんのお弁当,すごくおいしそうだね!」

「まあね。」


弁当は自分で作っている。そこまで好きなわけでもないが、料理はうまいと自負している。

だから、まぁ、少し嬉しい。


...さっきから私「まぁ」と言いすぎでないだろうか。まぁ、そんなことはどうだっていい、おっとまた...


誰かと食べたところで変わらないものをすべて飲み込んで、午後を消化していく。



※※※



布団の中に入って寝ようとしながら今日の出来事を少し思い出して。

また今日が終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る