第12話 side:H 欲情の続きと興奮と
とろん、とした瞳で僕を見上げる様に、どうしようもなく興奮を覚えていた。
この子、あまりにも・・・色々と弱すぎないだろうか。欲望に負けている僕がいえたものではないけれど。僕にだから弱いのか、他の人間にも弱いのか・・・。
・・・浴室でのことだってそうだ。
僕の、
『うーん。どうだろうね?僕はそういう経験がたまたまないけど・・・たまたまね?仲の良い友人と近しい接触はあるかな?少しの間留学した欧州なんかは普通にハグだキスだは普通だったし。こんなことも、他の人の話なんかでは聞くこともあるよ』
ということに対しても、疑問があったかどうかは別として、結局のところゆうくんは納得してしまった。実際のところ、僕の言葉には行間があって、
『うーん。どうだろうね?僕はそういう経験がたまたまないけど・・・たまたまね?(したくもないけど)仲の良い友人と近しい接触(肩を組むくらいの)はあるかな?少しの間留学した欧州なんかは普通にハグだキスだは普通だったし(僕はほぼ女の子だったけど)。こんなことも、他の人の話(web上でちらっと見た程度だけどね)なんかでは聞くこともあるよ』
というのが真相で、僕はそれを敢えて言わなかっただけだ。
まあ、その前のゆうくんの発言から、友人はいても親友はいないと判明していたので、言いくるめられるかもしれないという考えはあった。
ゆうくんは素直な子だし、知らないことを教えた時に、相手が僕であれば恐らく疑わないと思ったのだ。
案の定、ゆうくんは僕を疑わないどころか、僕が傷心だと自己帰結して色々と協力するとまで言ってしまった。
そんなこと言われたら、ねぇ・・・。
僕は聖人君子ではないし、大濠くん等から言わせれば『怜悧狡猾れいりこうかつの輩』らしい。
まあ、否定はしない。しかし、大濠くんの僕への評価は何とも酷いものだ。二次会でも酷かったが。
それでも、逃げ道は僕なりに作ったつもりではあった。
『嫌な時は思いっきり殴ってくれていいよ』と。
なのに、腕の中にいる子ときたら・・・嫌がるどころか、快感に染まっていく。
慣れていなことを抜きにしても、あまりにも、あまりにも流されやすくないだろうか。
僕がおかしいのは、もうこの際、横に置かせてもらおう。
稚いいとけな幼馴染を口八丁で言いくるめ、あまつさえその優しさにつけ込んでいるのも、逃げられた花嫁の弟に手を出しかけているという倫理観の瓦解さも、横に置かせてもらいたい。
『抱く』という言葉には流石に反応して、我に返ったようではあったが、再度唇を塞いで離したときには、瞳が過ぎた快楽に潤んでいた。
抵抗もせいぜい僕の着ている浴衣を握る程度。今までの想像をすべて覆して、実は手練れで誘ってるわけではないよね?なんて、勝手なことさえ考えてしまっていた。
浴室では抑えていた欲望が下半身に集まって、自分のものが反応している。
「ゆうくん、いいの・・・?」
僕が繰り返す。ゆうくんはか弱く首を振るだけで、僕の指先が与える刺激に喘いでいた。
ドロドロにしているのは間違いなく僕なのに、狡い僕は最後の判断だけをゆうくんにさせようとしているのだ。
新婚旅行の一日目。本来であれば僕が抱いていたのはあーちゃんだろう。
なのに、僕は何の拒否感もなく、嫌悪感もなく、腕の中にいるゆうくんを抱こうとしている。
罪悪感に心が咎められないこともない。けれどーーそれよりも大きい背徳感が僕の欲望を掻き立てる。
正直な話、幼馴染という関係から逸脱しているどころではない。
やりすぎだと自覚はしている。・・・やりすぎだなんて生温いものじゃない。
そもそもキスをするのだって、一線はゆうに超えている。
今までのような額や髪にする、戯れるものと違って、唇にするものはアウトだろう。僕は昨日こそ、ゆうくんに結婚式でしてしまった誓いのキスについて謝罪をしたと言うのに・・・たった一日でこれだ。
一応弁明しておくと、水を飲ませたのは、親切心であったのだ。・・・あくまでも。そう、あくまでも。
僕が部屋に戻った時、ゆうくんはぐったりとしていたし、それは間違いなく浴室での出来事が影響していると考えた。汗も随分とかいただろうし。
けれど、水を飲ませたゆうくんの反応は思っていたのとは違った。
口移しでのそれを、キスと間違えるとは思い至らなかった。
ゆうくんもそれなりの年齢だし、彼女なんて存在が今までにいても、なんら不思議ではない。いくらあーちゃんがそばにいたとしても。
でも、キスとそうでないものを判別できないゆうくんにーーまあ、口同士がくっつくという事柄は同じものだがーーそういう存在がおらず、居たとしてもそういう関係に至っていないのではないかということに、僕は気付いてしまった。
ゆうくんが僕の与える性的刺激に返すものは、すべて初心ウブなものだ。
今ならこの子を、僕の色に染められる。
そんな、独占欲丸出しな考えが僕の中に生まれていた。
そういえば、昨日は何回「光源氏」と言われただろうか。それは単に花嫁の年齢が若いということに起因しており、言う人に深い意味もなかっただろう。それに僕もあの時は違うと思ったが・・・自分の思い通りに育てる、というのはこういうことか、と得心がいく。なかなかに気分が良い。
色々と立場は違うし、幼い頃からどうこうと思って接してきたつもりはない。
けれども、目をかけていた子がこうして変わっていく様は・・・楽しいし、昂ぶりが心を擽った。
ゆうくんの晒け出された喉元に軽く歯を立てる。びくり、と身体が揺れる。
「あっ・・・つぐにぃ・・・っ」
「ゆうくん・・・」
摘んだ乳首を親指の腹で押し潰して、そこから一旦、手を離して脇腹を撫でた。浴衣の胸元は既にはだけており、布が邪魔しない鎖骨を唇で辿る。
時折強く肌を吸うと、朱痕が花びらのようにゆうくんの白い肌を飾った。
外に出ることをあまり好まないゆうくんは、日にも焼けておらず、痕がつきやすい。
「・・・んっ・・・」
痕をつけるたびに漏れる息も、耳に心地良かった。
浴衣の帯を掴み、引っ張る。
それは簡単に解けて、帯がなくなると浴衣がゆうくんの上から滑り落ちていき、先ほどまで見ていた肌が、また僕の前に現れた。
どこからどう見たって、ゆうくんは男の子だ。
この状況で、あーちゃんと間違えました、なんて言い訳はつかないだろう。尤もそんなチープな言い訳をするつもりもないけれど、ゆうくんの思考回路はきっとそっちに行くだろうな。
そこに漬け込んで、僕はこの行為を敢行する気でいるのだし。
しかし・・・まさか自分が男の子に反応するとは、思ってもみなかった。ゆうくんのことを、可愛いな、とはずっと思ってはいたけれど・・・あーちゃんと添い遂げる気ではいたし、ゆうくんをそういう対象では見なかった。
・・・見ていたら大問題か。二人ともに手を出す気でいるとんだ下衆である。
ん?見なかった?見れなかった、ではなく・・・か?
状況がそうは運ばなかっただけで、今回のような事態が起これば僕はーー・・・。
「ゆうくん・・・」
もう一度名前を呼びながら、肌を吸う。
「ふあっ・・・やぁ・・・っ、あっ・・・」
顔を上げて、腕の中にいるゆうくんを見下ろした。
目元を赤く染めて、与える刺激に体を震わせる姿が、堪らなく僕をそそる。
ゆうくんは僕と同じでボクサータイプの下着を着けていた。腹側に近い下着の縁に指をかけて、中へと潜り込ませる。鼠蹊部を撫で上げ、既に反応をしているゆうくんのものの上を撫でた。
「あっ、だ、だめっ・・・さっきもっ・・・」
そこに触ると、ゆうくんが慌てて首を振る。けれど、
「大丈夫だよ。それに、ほら・・・ゆうくんだけじゃない」
額に口付けつつ、腰を押し付ける。僕のそれは十分に屹立して、主張していた。
「・・・っ!つ、嗣にぃも・・・?」
「ん、そうだね。ゆうくんが可愛いから・・・」
興奮しちゃったね、と耳元に顔を寄せて囁く。ゆうくんは息を詰まらせて、目を瞑った。しかし次の瞬間、瞳を開いたゆうくんの行動は予想しなかったものだ。
「ゆ、ゆうくんっ・・・?!」
僕の股間の上に、ゆうくんの指が遠慮がちに伸びてきて、撫でる。
うわ・・・っ!まさかそう出るとは微塵にも思ってなかった。ゆうくんの指の感触に腰が微かに跳ねた。
「お、男同士でも触ったりするん、だよね・・・?なら、そのっ・・・俺は、嗣にぃにも気持ちよくなってもらいた・・・んっ」
う、わ。うわうわうわ!
あーーーーー!なにこれ、なにこれ!こんな可愛い生き物が存在するのか!
僕にも気持ちよくなってもらいたい?!いやいやいや!いま、かなりの蛮行を強いているというのに!どこまで自己犠牲の塊なんだろうか。
ゆうくん、わかってるのかな。僕は今、とんでもないことを君にしていることを。
うっわ、罪悪感に拍車がかかる。・・・でも僕のものがそれで萎えることはない。
笑えるくらいに、ゆうくんの指の下で元気であって。
僕はゆうくんの言葉にたまらず、その唇を塞ぐ。
「ん、ふっ・・・あっ・・・っ・・・」
どちらのものともわからない唾液を絡ませて、飲ませて、飲み込む。
ゆうくんの指に己のものを押し付けながら、ゆうくんのものに指を絡ませる。
先ほど出したせいもあってか、反応してるとは言え、まだ柔らかさのある硬さだ。
しかし、抱くとは言え・・・男同士のあれやそれに造詣が深いわけでもない。
準備もそれなりに必要そうではあるが・・・何かを用意しているわけでもないのだ。
自分のものにしてしまいたいという気持ちは強かったが、傷をつけるのは不本意ではなかった。
2人で気持ちよくなれる方法・・・ね。
キスを繰り返しながら、思案した結果、一つ思いつく。
お互いにオーラルセックスでも良かったが、いかんせん、ゆうくんにはまだ無理かもしれない。ならば・・・。
「ゆうくん、ちょっとごめんね」
唇を離して、上体をあげる。ゆうくんの舌が名残を惜しむかのように少しだけその咥内で伸びていて、垣間見えるそれにまたキスがしたくなったがーーそこは我慢した。
抱いていた手を外して、背中をベッドに優しく落とす。
ゆうくんは、やや不安を含んだ瞳で見上げていて、僕は安心させる意味も含めて頬を撫でた。そうすると、頬ずりをしてくるものだから・・・、可愛くて内心身悶えた。
いやぁ・・・本当に、この子・・・まずい・・・。
「嗣にぃ・・・?」
舌足らずに呼ぶ声に、微笑みつつ、身体を動かす。僕はゆうくんの頬をもう一度撫でてから、離す。細い足を合わせたままで抱え上げて、臀部の下に身体を滑り込ませた。
「あっ、な、なにっ・・・?!嗣にぃっ・・・」
不意な動きにゆうくんは吃驚して身体を動かしたが、僕は気にしなかった。
ゆうくんの下着をずらして、太ももまで一気に引き下げた。ゆうくんの下半身が露わになって、ゆうくんが首まで真っ赤になる。
「や、やだよ・・・嗣にぃ、恥ずかしい・・・っ」
「大丈夫だよ。ね?僕もゆうくんも気持ちよくなれるようにしよう」
ちゅ、と抱えた膝にキスをする。どこもかしこも可愛いから、僕からは笑みしか漏れない。全身にキスしたい。ああそうだ、後でしよう。
片手で自身の浴衣裾を捌いて、下着もずらす。
ゆうくんの痴態に煽られて、しっかりと硬くなったものが空気に触れた。
それを見たゆうくんが、息を呑む。
「・・・つ、ぐにぃ・・・それっ・・・ぁ・・・おおきい・・・」
「・・・っ」
そう漏らした声は、ただの感想であったと思うけど、うっかりと僕は興奮してしまい立ち上がったそれが、揺れた。
「・・・あんまりね、そういうこと言っちゃ駄目だよ?・・・というか、僕以外とこんなことしちゃ駄目だよ・・・?」
ゆうくんの臀部に、先を押し付けると、ゆうくんが緩く首を振る。
「こ、こんなの、嗣にぃ以外と、しない、よっ・・・」
恥ずかしさも手伝ってか、声は途絶えがちで、それがまた僕を煽った。
自分が何をされているのか理解しているのだろうか・・・ちょっと不安になったが、まあ、もう止まらない。
しっかりと太腿を閉じさせて、腿と陰嚢の合間にできた肉の隙間に自身のものをねじ込ませる。
「ひあっ・・・!あっ!嗣にぃ・・・?!」
お互いの竿裏が擦れ合って、ゆうくんがか細く悲鳴を上げる。
「ゆうくん、素股、わかる?」
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