第1章

 ある日。1つの都市が壊滅した。

 というより、埋没したと表現した方が正確だろうか。

 いずれにしても、政令指定都市として100万人を超える街が、1夜にして消えたのだ。

 事態を重く見た政府は、防災庁指揮下の特殊救難隊に出動を下命した。

 晴れやかな日の光に照らし出されたのは、昨日までコンクリートジャングルが存在していたのが嘘のような、漆黒の湿地だった。

 救難ヘリから見下ろす絶望の風景に、隊員達は蒼白した。

「この状況で生存者なんているのか?」1人の隊員が呟いた。だが誰もその疑問を否定する者はいなかった。

 –超自然現象回顧録より1部抜粋–

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

螺旋のインフェルノ 破滅時政 @ponta777

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ