第25話 準備すること沢山あるらしい


「はい、着替えてきたけど」

「行くんだゼ」

「ホタルも着いてくるんだ?」

「あたりまえだゼ」

「・・・チッ」

「ニコ?あからさまな舌打ちやめてね、怖いから」

「だって、ルト様とのデートを邪魔されたんですよ?」

「そんな気はないんだゼ」

「まあまあ、睨み合わないの。ほら、ニコ。僕と手を繋ごう、これで機嫌直る?」

「直ります!!!!!!直しました!!!!」

「それなら、さっそく行くぞー」

「行くゼー」


今日は領土にある町で買い物をするらしい。

「…んで、何買うんだっけ?」

「今日は、衣類と生活用品を買いに行きます」

「ここの町ではルト様とお呼び致しますが、王都の街では弟設定でルトとお呼びしますのでお気をつけくださいね?ルト様」

「了解、今日はいつものルトってことね」

「そうです、ですからホタルだけ見られないように気をつけてくださいね」

「「了解です(だゼ)!」」

「では、行きますよ。早めに用事は終わらせましょう!」



たわいも無い話をしながら服屋(=ハラガデッデ)についた。

「とりあえず、1週間分の服は買っておきましょうか」

「そんなにいる?無駄になりそうだけど」

「ルト様!舐めては行けませんよ服装1つでその時の印象が決まるのですから」

「そ、そうか」

「そうですよ!だらしない人より見た目がキレイな人の方が好かれるんですから!」

「好かれに行くために行くわけじゃないけどまあ、そうね。そっちの方が良いかもね」

「そうです!まあ、私服を着る機会が来るのかはルト様の努力次第ですけどね笑」

「バカにしてない?ニコさん?」

「いいえ?笑ってないですよ?早く選びますよ!!」


この後服を買うまでに数時間を使うことになったがよく飽きないなとか思いながら過ごしていた。



「あ、そういえばホタルは?」

「そういえば見てませんね?どこかに行ってるんじゃないですか?」

「見つかってないといいけど、まあここまで1人で来たらしいし大丈夫か?」

「何かあれば逃げれるでしょう、あの小ささなら。それより買うものはまだまだあるので行きますよ!」

「えー、まだあるのかよ〜。疲れたよー」

「そんなワガママ言えるのは今だけですからね?学園生活に入るとルト様は庶民と同じなのですから使用人なんて居ないですからね」

「はぁ、学びたい魔術の量と生活力が比例していれば生きていけると思うんだけどな。現実から逃げたい」

「頑張ってくださいよ、ある程度は教えられているはずなのですから」

「そうだけどさ?…オリーブ先生元気かな?赤ちゃん授かってから見てないんだよな」

「オリーブ様なら元気ですよ?今は休職中ですが学園の先生もやっているはずなので」

「え?まじぃ?」

「まじぃです。ルト様の先生方は優秀な方達だったんですよ?知らなかったんですか?」

「全然知らなかった、聞くことないし話されることないから」

「まあ実際、凄い人って言うのは実力をひけらかす真似はしないですからね。自分の手札を相手に見せてもいい事ないですから」

「そう考えると、クレア先生は僕に手札を見せびらかし来たな」

「ルト様それは舐められてますよ。実力差も分からないってバカにする戦法で使います」

「今その事実知りたくなかった。クレア先生も学園の先生だったりするの?」

「クレア様は居なかったはずです。理由は知らないですが勧誘を受けたことはあるんじゃないですか?あのお方は他国に取られると大損害を受ける可能性があるはずなので」

「大変だな、他の国との小競り合いも」

「まあ、最近は大人しいと聞きますけどね数年前と比べると」

「へー、意外に若き王が有能なのか」

「そうなんですかね?裏がありそうな変わり方なのでそうとも言えませんよ」

「裏がある。ってお金とか売買か?」

「まあ、他にもありそうですがその2つも入っていると思います。あとは情報提供をしているとか」

「情報?自国の情報を流してどうするんだ?」

「違いますよ?現王様の持っている知識をひけらかすんです。そうする事でコッチの知らない向こうの情報を簡単に抜くことが出来るんですよ」

「でも、その知識って結局自国の情報に入らない?」

「経済、武力に関係がないじゃないですか。この前見たゴミ箱と呼ばれる箱見ましたよね?あれは現王様の知識で作られたモノであの箱を流行らせたいが為に自国で作っただけなんです。あれが他国にあろうがどこにあろうが現王様が得をするだけなんですよ、王国市民は言われた通りの行動しかしていないのですから」

「なるほどね、みたいにされてるのか。だからコッチに損害が出ない手を使っているのか、でもそれは争いが減る原因になら無くないか?」

「なるんです、それが。争いはどちらかに不満がある時のみです。向こうが欲しい知識とこっちが欲しい情報がつり合っているため不満が生まれることが少ないんですよ。まあ、それでも争いは減っただけなので不満が出てくる時もあるって感じの会議をしているのでしょう」

「へー、話し合いって難しそうだね。僕には縁がなさそうで良かった」

「そんな事言って、ルト様なら大丈夫ですよ。やる時はやる人ですから」

「だと、いいけどねー。」

「さ、次の店も行って早く買い物を済ませて帰りますよー」

「どんどん荷物が増えていくんだけどまだ買うことあるんだ?」

「ありますよ。大変なんですから屋敷と違って」

「でも、たまにニコの買い物も混じっているよね?」

「───────…次行きましょー!!!!!」

「おい!ニコ!待てぇー!」

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