第23話 初対面はインパクトが大切です


目をつぶっているのに目の前に気配を感じてしまう事があると思う。動物を飼っている人なら共感してくれるだろう。その違和感を感じて眠い目を擦りながら起きることにした。


「お、ご主人おはようだゼ」


なんだ、この小さいヤツ


「…聞こえてない?言葉間違えたゼ?」

「あ、いや、聞こえてるけど…」

「お、良かった伝わってなかったら出直すところだったゼ」

「なら、出直した方がいいかもね」

「え、やっぱり伝わってないゼ?!」

「・・・」

「やっぱり伝わってないんだゼ。どうしよう、またあそこまで戻るのは時間がかかって嫌なんだゼ」

「その心配は無いよ。からかっただけ」

「なんだ、良かったゼ」

「「ところで、名前なんて言うの?(ゼ?)」」


「そこ被ることあるんや、キミは知っててくれよ。ここに来た目的じゃないのか?」

「それはそうなんだが、皆を置いて先に逢いに来たゼ」

「みんな?他にもいるのか?キミみたいなのが」

「そんなことは無いんだゼ、ご主人みたいな大きさのやつも居るんだゼ。は皆とは別なんだゼ」

「ホタルって名前か?よろしく」

「あ、バレちまったんだゼ」

「いや、アホ子の過ぎるだろ。一方的なのは嫌だから、僕はルト・ラ・クロンドという名前だ、ルトって呼んでくれ、宜しくホタル」

「よろしくなんだゼ、ご主人」

「あの、気になってたんだけどさホタル。」

「なんだゼ?ご主人」

「その、ご主人ってなんだ?僕はいつキミの|ご主人になったんだ?」

「だって、そのジョブを授かった瞬間から博士マスターのレーダーに反応があったんだゼ」

博士マスター?レーダー?なにを言ってるのか分からんがこの職ってことは分かったぞ今の会話で」

「そうだな、皆がここに着いてから聞いてくれ、ホタルは分かんないんだゼ」

「そうか、なら知ってることを何か話してくれないか?」

「んー、何かあるんだゼ?」

「なんでもいいんだ、小さい情報でも何でも」

「そうだな…、あ。あるんだゼ」

「お、なにか思い出したか」

「ここへ来るにはメッチャ時間かかるんだゼ、遠すぎるんだゼ、ご主人。もう少し近くにしてくれないとホタルたちがすぐ着けなかったんだゼ」

「あ、そうなんだ?住んでる場所があるんだな?キミ達にも」

「そうなんだゼ、当たり前だゼ。でも、人の目には見えないようになってるから気づかれることはないんだゼ」

「そういう、魔法を使ってるってことか?」

「さー?知らないんだゼ?博士マスターが設置したらしいゼ。ホタルたちは指示プログラムに従って動くだけなんだゼ」


「そういえば、気になっていたんだが機械人形オートマタって名前なのか?キミたちの。ジョブの名前に入っていて気になっていたんだ」

「さー?分からないんだゼ。ホタルはから昔のことは分からないんだゼ。だから、ホタルの初めてのご主人がご主人ってことだゼ。喜んでくれだゼ」

「そうか、なら皆が着くのを待ってないとな。大体どれくらいで着くんだ?」

「さー?分からないんだゼ?ホタルは小さいから見つからないように動かなくていいから早く着いたんだゼ、他の皆は大きいからバレないようにこっちに来るってことが出来ないんだゼ」

「そうなのか、バレると何かあるのか?」

「それが、分からないんだゼ。博士マスターに書いてあったんだゼ」

「そうか、僕が見れる時くるかな?」

「くると思うゼ、博士マスターは後継人が見つかり次第その人の元へ行けって指示プログラムを残してったゼ」

「それで、僕がその後継人ってやつなのか?」

「それは、分からないんだゼ。レーダーに反応があったのがここだっただけなんだゼ。だから、ご主人がご主人の可能性は分からないんだゼ。でも、ご主人は強い気配がしたから会いに来たんだゼ」


「そんな評価してくれるのか、嬉しいなありがとう。他の皆がここに着くまで隠れるか?」

「それはありがたいんだが、人と住むには色んな条件があるんだゼって言われた気がするゼ」

「あれま、それは大変だね。なんなの?条件って」


「・・・忘れたんだゼ」

「なんでだよ!少しは覚えてろよ!」

「だって、姉ちゃん達が優秀だったから覚えなくても生活出来てたんだゼ」

「頼りすぎてダメな子出来てしまってる」

「姉ちゃん達が着くまで秘密にしてれば大丈夫なんだゼ?」

「そんなもんなのか?バレて怒られても知らんぞ?僕は一緒に怒られたくないからな、ホタルが勝手に怒られてくれよ?」

「そ、そんなご主人。ホタルのこと嫌いなんだゼ?」

「怒られるのが嫌なんだよ。しかもまだ僕が博士マスターの後継者って決まった訳じゃないんだろ?」

「それもそうだゼ、分かったゼ。バレないようにすれば解決だゼ。そうと決まればよろしく頼むゼ、ご主人」

「そんな感じでいいのね、いいけど。この家にはが多いから気をつけろよ?ホタル」

「ホタルにかかれば朝飯前だゼ、任せてくれご主人」


「それはよかっ「ルト様?この小さいゴミは何ですか?」

「ッア」

「おい、ゴミ。ルト様に近寄ってんじゃね」

「お、おい!離してくれだゼ〜」

「・・あのね?ニコ、一旦その子離してくれない?」

「…はぁ、このゴミに何か用なんですか?」

ゴミじゃない!ホタルだゼ!」

「こんなに小さくて言葉を喋る生物を私見たことないんですけど?」

「んー、確かに僕も見たこともない聞いたこともないけど信じて離してくれ」

「ホタルは悪い奴じゃないゼ」

「ルト様が言うなら離しますよ。・・・それで何故ルト様の寝込みを襲ったんですか?いつもなら起きてもいないこの時間に、・・狙ってますよね?・・・私が先に隣で寝てるドッキリしようと思ったのに」

「…ん?ニコ?」

「なんですか?ルト様」

「僕の異変に気づいて、とかじゃないんだ?」

「はい。私はルト様の隣で一緒に寝ようかと思って寝巻きのままで来ました」

「え、ホントじゃん。いつもの服装じゃない」

「いつもの服装も持ってきてますよ?そちらの方が好みでしたか?・・エッチ」

「エッチって。どっちも似合ってるからなんでもいいよ、それよりまだ眠たいから寝ていい?」

「どうぞ。では、私もお邪魔しますね」

「このベッド1人用で狭いからね?近寄らなきゃダメだよ?ニコ。僕が小さい時に買ったやつらしいし、大きいやつ買うか?いゃでm……スピー」

「え、寝たゼ?ご主人ホタルのこと無視して寝たんだゼ?」

「そこのあなた、黙りなさい。今から寝るんですから。…とりあえず今回はルト様から良いと言われたのでこちら寝ることを優先しますが、起きた時は覚えてなさい」

「この2人なんなんだゼ。話の展開の仕方が下手なんだゼ」

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