第19話 試験は筆記のみ……じゃない!?
「はい、ルト君ですね。始まるまで座って待っていてください。あと帽子は外すように、不正を疑われますよ」
「分かりました、ご丁寧にどうも」
『まじか、髪バレちゃうなこのままじゃ。魔法で色少し変えるか?苦手なんだよな、繊細な魔法』
「すみません、お手洗いってどこにありますか?」
「ああ、トイレはこの部屋を出た先の突き当たりを曲がったら分かりやすい看板がある筈だ。青色の看板に入るように、間違えても赤色の看板側には入るなよ」
「分かりました」
『別々なんだな?性別で細かいところまで気を使っているといえば使っているが仕切りがあるなら変わらなく無いか?別々にした意味が』
まあ、なんでもいいか!髪の色変えるために行くだけだし!
「分かりやすく、線まで書かれてる。気遣いがすごいな」
『人の気配はしないな』
さてと、久々に使いますか。
【水魔法・我に色を授けよ・カラー】
これ慣れないんよな。加減がムズい
『こんなもんか?』
数秒で変えることに成功した。
『良かったー、ここで散策の知識使えて。王都は派手な色の人より暗めの人の方が多いからな参考になってよかった』
「よし、行こ」
「試験を開始します、試験時間は2時間とします。終わった者は手を挙げるか、近くに立っている生徒に声を掛けなさい。以上開始!」
『さて、始まりました。試験のお時間です。今回の問題はー?デーデン。お?少し変わった問題が出ましたね。なになに、前任の王の名をフルネームで答えよ、ですってさすがに分かりますよ。えー、答えは【グロース・ラ・ハクシュベール】っとこんな調子ならイケるな余裕だわ』
『やっば、分からんやつ来やがった。なんだよ最古の貴族の名前を1つ書けって貴族に古いも新しいも作るなよ。人間全部一緒だろ。早く生まれて頭の使い方が少し他の人より上手かっただけの奴らがよ。ムズすぎるこの問題、みんな分かるんかね?こんなの』
『飛ばすか、最後にしようまだ時間は有るし大丈夫だろ。あ、これも飛ばそ』
『さて、やっと最後の方まで来たな。大体今が?1時間半過ぎと。うん、時間経ちすぎ!?解く時間なぁーい!とりあえず取り組むかー、辞めるか?潔く。怒られるだろうなー。辞めとくのを止めとこ』
『はー、もう少しで埋めれるぞ回答紙。7割位は出来てるだろ。でも、最後までこの、最古の貴族分からないんだよな、何家があるのかも知らんし。知り合いにそんなやつ居た覚えないし、居たら覚えてるだろ流石の僕でも』
「やめ!机から手を離しなさい」
さっきから声を出している人が何かを唱えた瞬間に紙だけが彼女の方へ飛んで行った、生きているように。
『すげーな、あの魔法?。帰ったら真似してみよ。さて早く、かーえろ』
「では、次の試験に向かってください」
「・・・?」
次々部屋を出ていく試験者たちに驚きが隠せない。
『え?もしかしてのもしかして筆記と実技パターンですかいな。練習してないよ』
「…まじか、やべーな」
「どうしたのです?体調わるい?」
「あ、いえそんなお構いなく」
「ほんと?ならよきき」
『よきき?ってなんだろう、それにしても実技は何をするんだろうか。初級魔法しか使えんからな不安だ』
「さて、君らには今からペアを作ってもらう。適当に組んでくれ、好きなやつとでも知り合いでもなんでもいいから早く作れよー」
『え?周り知らない人ばっかり!僕はぼっち参加ですよ…周りザワザワし始めたし。辛いなペア作りってのは』
「…あのもし良かったら私と組みませんか?」
「・・・僕?」
思わずキョロキョロしてしまった。
「はい、あなたです。もしかして決まってる人他に居ました?」
「あ、いや居ないよ。ちょうどペアを作れなくて困っていた所だ」
『この人キレイな顔してるな』
「それなら良かった、先程は大丈夫でした?部屋を出た時少し不安そうな顔をしていましたけど」
「見られてたのか、恥ずかしいな。いや、問題が少し解けなくてな悔しがってたんだ」
「そうなんですね!ワタシも解けなかったですよ!6割取れてれば十分かな?」
「…僕と同じくらいだ、良かった同じ位の人いて」
「・・え?(あのレベルを私と同じ?)」
「ん?何かあった?」
「んああ、いえ大丈夫です。こちらの話ですから。それよりペアを作って何するんですかね?例年だと1人での課題が多かったのですが」
「ん?さあ?簡単な内容だといいけど」
『この人例年って言ってるから去年も落ちたんだな。落ちた人と筆記試験同じ点数なのヤバいな、実技はちゃんとやらないとダメなやつか?色々めんどいな気をつけなきゃ』
「では、今から試験を開始する、ルールは簡単。ペアの相手とどこでもいいからくっ付いて行動しろ小道具を使っても構わん。離れた時点で失格だ、点数は低いものだと思え!制限時間は1時間で行こうか!では、開始!」
「・・・くっ付くだけなら簡単だね。はい、手出して」
「…え?」
「え?じゃなくて。はい、手出して?」
「え?私女の子ですよ?」
「え?うん、だから?」
「あ、いえなんでもないです。(この人
「それじゃあ、1時間待つかー」
「…ソウデスネ。(男の人の手って大っきいんだな)」
「ん、危ないよ」
「はい?ちょ、ひっぱ」
【バァン!バァン!】と何かが上から落ちてきた
「ヒィ!なんですか?これ」
「うーん多分氷だね、水魔法の応用魔術で、良く火山地帯などで重宝されているよ」
「いや、見れば分かりますよ。それよりなんで上から落ちてくるんですか!」
「それは、知らない。調べに行く?暇だし」
「そんな気軽に行こうとしないでください!1人じゃないんですから!」
「…確かに一理ある。じゃあ一緒に考えようか」
「あの、普通に建物の中に入りません?外にいるだけで物が落ちてくるの嫌なんですけど?」
「いいよ、ペア相手がそう言うなら従うよ」
『滅多に見れない氷魔術なのに視れなかったか
「それで?部屋の中はどう?」
「…暑い。・・・・なんで外は氷降ってきて部屋の中は暑いのよ!変すぎない!?」
「いや、試験ってそんなもんでしょ。それより自己紹介しようよ。名前聞くの忘れてた」
「え?今?」
「うん!僕はルト。ただのルトさ」
「そう、私はフロース、よろしく。それよりルト?この状況でどう過ごすわけ?後50分くらい」
「え?10分しか経ってないんだな、普通にしてれば?」
「あなたこの状況でよく言えるわね、そうよまだ10分しか経っていないのよ。この状況があと50分も続くの分かる?のんきにしてないで貴方もちょっとは常識的に打開策を考えなさい」
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