第16話 出会いは突然に


「・・・」

「…今回の取引内容暗殺対象だ。くれぐれも失敗するんじゃないぞ」

「・・・」

「…聞いているのかお前、返事も出来んとはロクな教育されてこなかったんだな。親の顔が見て見t………(ナイフを首に?)や、やめてくれ。お、お前!俺様は依頼主様だぞ?逆らっていいなんて命令なかったはずだが?俺様はお前より上の人間と仲がよくて俺様の慈悲で仕事を回してあげてるんだぞ(顔舐めるなよ、汚い)感謝しろよなァ!(胸を触るな、羨ましい)おい、なんか言い返して来いよ(顔ペチペチしたるなよ)!それより、またらあの環境に戻してやろうか?…楽しかったなぁ(え、股を触ってる?)また遊んでやろうか(ベルトを触るのか?)?なんか言ったらどうだ(ニヤり顔だあぁぁ)

「・・・」

「…はあ、奴隷おまえってホント使えねぇな。使い捨ての道具が偉そうにしやがって!クソっ!早く仕事して来いや」

「・・・」無言でスっと消えた。


「…命令通りにしか動けない奴隷カスが!アイツ、またベッドの上で遊んでやるか。最近、妙に身体付き良くなってきたしな、教育かいはつしがいがありそうだ」

そう言って






「…大きな声聞こえたから見に来たらなんか、見たんだけど王都って変わったな随分」

いやー、それにしてもなんも内容は聞こえなかったけど物騒すぎだろ。女の子の身体触った挙句、服めくろうとしてたぞあのオッサン。昼間っから盛りやがって、うらやましい



「あーあなんか、折角早く来たのに嫌な気分になったわ。それにしてもあの女の子顔は見えなかったけど肉付き良かったな。あんな子を隣に置いて寝てみたいな」

「おい、そこのあんちゃん腹減ってないかい!肉焼き、安くしとくよ!」

「こっちの揚げ串も安くしとくよ!そこのにいちゃん」

「おにいさん、こっちの焼き魚どうです?」

「おいおい、横取りすんなよ!このあんちゃんは俺が先に声掛けてたんだ」

「いやいや、ウチだね。ウチの声で反応してた」

「いいえ?私のところですよ?勘違いはやめてください?」

「・・・喧嘩はやめてくださいよ、今日はお肉食べたい気分なんで1つください」

「はい!まいど!150マニーだ。出来たてで熱いから気をつけてなー」

「ありがとうございます、美味しそー」

この街は歩きながらモノを食べるって文化があるっぽいな、資料で読んだことはあるけど目の前にしてみると歩くときに食べ物が持ちやすいように工夫されてるんだな。


「・・ぃて」

石のようなものにぶつかってしまった。

よく見ると石ではなく人だった。

「あ、ごめんなさい服に食べ物付けちゃって」

ルトが顔を上げると大きな体で顔のイカつい人が立っていた。

(こっわ!)なんて声を上げたら怒られそうな怖さをしていたので息を殺した。

「・・・」

「あの?大丈夫ですか?その、汚してしまったんですが」

「・・・」

(うん、何もわからん。なんでこの人喋らない?怒ってるってこと??表現方法子供か?)「…あの?すみません、見えてますか?僕のこと」

「・・・ああ」

「(お、喋った)あの、ホントにゴメンなさい。汚してしまった服は弁償させてください」

「・・・ああ」

「あの?すみませーん、もしもーし」

「・・・あ「あー!がなんかしたんかいな?申し訳ないそれはコイツ無駄に身体でかいから邪魔やねん、申し訳ないわー」細目の男が割り込んできた。

「あ、いえ!僕がこの方の服に食べ物をこぼしてしまって。服の弁償をさせて下さい。と頼んでいたんですよ」

「…あー!そういう事かいな、すまんねぇリーダー基本人見知りで初対面の人と喋れないんだわ。しかもさっき放心状態で歩いてるっぽくて、ほら今も上の空って感じでしょ?気にせんといて!こいつが100悪いから」

「え、あ。いや」

「そんな高い服でもないから大丈夫やて、こいつ服はこだわりないタイプだから。ほんまに気にしてもないで、今日は特にな」

「そうですか、それでも一応マニーだけ受け取ってくれませんか?なんか落ち着かないので」

「あらー、悪いわーそんな子供からマニー取るなんて」

「あ、いえいえ大丈夫です。受け取ってください」

「ほな、有難く受け取っとくわ。こいつのことは気にせんといて。こっちで責任持って運んどくで」

「あ、何から何までありがとうございます」

「いやいや、こっちが悪いのにすまんねぇ。また会うことあったら挨拶させるわァー」

「その時はよろしくお願いします」

「はいはいー、ほなまた〜」


会話の速度早かったな、王都って怖いわ。




「ほんで、アンタいつまでその状態やねん。重いわ!それにに気使われてもうたがな。おーい…」

「・・・っは!さっき何かにぶつかった気がしたんだが!にぶつかってはいないよな?ヤマト」

よ?あの人とは喋ってもいないでしょうに何を勘違いしてるんですか?」

「いや、あれは間違いなく目が合っていた。俺の方を見ていたんだ。惚れさせてしまったこの俺に」

「はいはい、それより服汚れてますよ?」

「…ん?こんな事どうだっていい!」

「・・・そうですかいな(あの子供には悪いことしてもうたな)」

「それより早く追い掛けるぞ!ヤマト!皆は?」

「先に行かせてますよ。アンタが何も言わずに去るから追いかけてきたんですよ!」

「それなら、早く行くぞ!」

「分かりましたよ、…そのどうにか出来ませんかね?」

「・・・ん?なんて言った?」

「なんでもないですー」



「さっきの落としちゃったんで、もう一個ください」

「それは災難だったなぁ、ガハハ。ほい、180マニーだ、熱いから次は落とさんように気をつけろよー」

「はい、ありがと(ホントに安くしてくれてたんだな)」


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