第7話 再会


「5歳の時に来たのが最後か?もう10年も前の話か懐かしいな」

「ルト!久しぶり!」

「お?もしかしてその声オリアナか?見た目じゃもう誰か分からないな」

「そうよ、ルトは全然変わってないわね」

「何もしてないからね、レイ兄さんとラヴィ姉さんに任せっきりだし」

「お二人も元気にしてそうで何よりだわ」

「元気も元気よ、最近なんて風r…やっぱなんでもないや」

「ん?何か言った?」

「なんでもないさ、しっかしいつぶりだ?」

「ん〜?最後が私の10歳の誕生会に呼んだ時だった気がする」

「そんな前か」

「毎年招待状送ってるのに来てくれないのはそっちでしょうが!ルトの誕生会は滅多に開かれないし会うことなんてないでしょ!」

「確かにね、僕の時毎回みんな遠征行っちゃうからね。時期がしょうがないんだけど」

「そうね、捌星は毎年王都と魔都の小競り合いで大変だもんね」

「まあ、使用人たちと密かに祝ってるからそれでいいんだ。父さん達にはちゃんと別日に祝われてるし」


「…私も呼んでよ」

「ん?なんて言った?オリアナ」

「なんでもないわよ、それより座って待つようにって、入口の人に言われたから一緒に待ってましょ」

「そうだね、1人は寂しいから助かるよ」

「…った!」(寂しい?これは、、プロポーズ?)


「そういえば、他のみんなは?」

「ん?さー?まだ見てないわよ」

「そうか。別日にしたのかな?」

「さあ?どうでしょうね?色々ギリギリの奴らよ?案外入口とかそこら辺で止められて言い合ってるかもね」

「あー、ありそう、一応見に行こ。オリアナも一緒に行くかい?」

「…念の為行こうかしら」(誘われた!!)

「では、お手を」

「あら、助かるわ」

(う〜、手繋いじゃった!これは、カップルに間違われるわね流石に)

「オリアナの手小さいね?」

「ルトがデカイだけでしょ、早く行くわよ」

(わー、今日早く来てよかった!!)

「はいはい、ってもう居るじゃん」

「…居たわね、入口にバカが」



「だー!かー!らー!今日受けに来たんだって!

親父には間違ってる時間教えられてて急いできたんだって許してくれよ!服装くらい」

「いや、招待状か貴族バッチを見せていただかないと入れることはできません」

「なんでだよ!この会話さっきもしたよね!」

「しましたよ?なので入れれないんですよ」

「分かったって!だから、先に入ってる奴らに確認してくれって言ってるだろ!どうせ教会内は魔法使えないんだから!何も出来ないって!」

「貴族様に確認って何を確認するのですか?」

「顔見せればいいだろうが!」

「その隙が危険を及ぶかもしれないのでダメです」

「いい危機管理してるな!騎士団様はよ!」


「あれ助ける必要あるの?」

「まあ、一応僕たちの友人だしあるんじゃないかな」

「それもそうね」


「ルルさん、すみません」

「はい?なんでしょう、検査ならもう少しで始まりますよ」

「あ、違くてその人知り合いなんで入れても大丈夫です、見た目が悪人過ぎるんですけど」

「ですが、招待状をお持ちでないと入れることは出来ないんですよ」

「頭かてぇーやつだな!ルトがいいって言ってるだろ!公爵家だぞ!」

「あまり大きな声で喋らないでくれます?」

オリアナが僕の後ろから声を出した。

「お?その声オリアナ嬢か!手なんて繋いじゃって

…お前もしかしてついにルトと?」

「違いますわ、やめてください」

「…それでまだなのかよ、期待して損した」

「それで?ジャック招待状は?」

「家に忘れたみたいでよう、取りに戻ると終わってるだろうし、無いと入れないから困ってたとこだ」

「そうか、場所は覚えてるのか?」

「覚えてるぞ机の上にちゃんと置いておいたからな」

「なんでそれを忘れるんだよ」

「いやー、受け取って親父が時間聞き間違えててよ酷い目にあったぜ」

「今も酷い目にあってるけどな」

「机の上だそうだ、オリアナ」

「えー、私がやらなきゃいけないの?」

「オリアナしか出来ないだろ?」

「えー、なんでジャックのために使わなきゃいけないのよ」

「オリアナ嬢頼むよー、このとぉーり!」

「ちょっと待ちなさい、ルト少し離れてて」

「ん?いいよ」


「ジャックちょっと来なさい」

「ハイハイ、なんでしょう」

「ルトと私をいい感じにしなさい、それが条件よ」

「えー、難しい条件ってことは理解してる?」

「取って欲しくないの?」

「トッテホシイデス」

「だよね?約束守れるよね?」

「ハイ、マモリマス」

「交渉成立」


「今から取ってあげるから少し待ちな」

「優しいな、オリアナは」

「そうでしょルト?私は優しいのよ」


【固有魔術・道よ開け・ゲート】


「いつみても、綺麗な景色だよな」

「そうだな」

「はい、これでいいのかしら?」

「そうそう、これこれ!オリアナ嬢あざーす」

「(約束忘れないでね)」

「それはもちろんでございますよ」

「オリアナここ数年でより腕上げたな」

「えー!ホント?嬉しい」

「あぁ、前見た時より早く正確に使えるようになってる」

「そりゃそうよ、練習はサボったことないからね」

「それより早くしないと始まるわよ、あなたも早くそれ確認してもらいなさい」

「確かに、これでいいか騎士団さんよ」

「…確かに確認した。ジャック・バロン」

「丁寧にどうも~」

「さっ!早く行きましょルト」

「そうだね、なんの職が出るかな」

「なんでも、大丈夫でしょ強いんだから」

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