第6話 フラグってすぐ回収しますよね
とりあえず、自室に着いて着替えつつニコに顔のケアや髪の毛のセットをお願いした。
「こういうところはまだまだ子供ですよね〜?」
「そりゃ、ニコに強制されない限り自分でやらないからね」
「まあ、いざとなった時かっこいい方がいいでしょ」
「いつでもかっこよく居て欲しいですけどね?」
「それは、難しい相談だね、人は気を抜かないと疲れて死んじゃうから」
「そんな兎じゃないんですから」
「兎って死ぬんだ」
「生き物なんて始まり来れば終わりも来ますよ」
「深い事言うね」
「本に書いてありました」
「あ、そう。いい事だね覚えるってことは」
「そうですよ、なんて話してたら終わりましたよ」
「いいね、ニコは仕事が早くていつも助かるよ」
「え?お嫁に欲しいって?ちょっと~やめてくださいよ~、ルト様とはいえセクハラですよ~」
「一言も言ってないからね。なんなら探してきてあげようか?父さんに言って多分すぐ見つかるよ」
「本気で心配はしないでください?変な貴族紹介されても変に困りますし、私はルト様に仕えると決めてますので。」
「急に真面目!。そんな真顔で言われてもさっきまで変なこと言ってた人が急に真面目になったって無理だよ」
「この作戦いけると思ったんだけどな」
「不発に終わったね」
「そんなこんなしてるうちに後20分ですよ!」
「少し遠いんですから気をつけてください」
「もうそんな時間か大変だね」
「手のかかる子だこと」
「産みの親みたいなのやめてね、育ての親ではあるけど」
「今日はなにで教会まで向かいますか?」
「僕は早めに着きたいし魔法使っていくよ」
「分かりました。ですが、くれぐれも魔法を見せびらかすことはしないで下さいね」
「そんな、子供じゃないんだからする訳」
「すげぇー!兄ちゃん」
「ほかは?ほかは?」
「もっと見せてぇ!」
……子供に囲まれてしまった。
「なぜこうなった」
時は少し遡り、屋敷を出た僕は歩くのもいいが空を飛ぶことにした。速いからだ
【水魔法・我が身を包め・ウォーターベッド】
【風魔法・我の身を押せ・ウィンド】
「よし、行こうこれなら間に合う。それにしても空飛ぶのも結構慣れたよな、初めて空飛ばされた時は姉さんに勝手に連れてかれたんだっけか」
懐かしい記憶を思い出しながら教会へ向かった。
「っと、危ねぇ。空飛んでるところなんて見られたら驚かれちまう、解除して少し歩くか」
「なあなあ、今のなんだと思う?」
「さぁ〜、見たことないね?」
「なんだろね?なんだろね?」
「…話しかけてみるか?」
「え~怖い人だったらどうする?」
「どうする?どうする?」
「大丈夫だろ、…なにかあったら俺が守ってやる」
「レオが負けたらどうするの?」
「たしかにね?たしかにね?」
「…俺が負ける訳ねぇーだろ!」
「それもそうね、行きましょ」
「行こう!行こう!」
「ってな訳で、兄ちゃん何者だ?」
「空って飛べるの?」
「飛べるの?飛べるの?」
質問攻めにあってしまった。時間無いのに。
「えーっと?僕が空飛んでたの?」
「「「うん!」」」深く頷かれた
「あー、見間違い…ではない?」
「「「うん!」」」また、深く頷かれた
「…内緒にしてくれない?」
「「「いや!」」」
んー、逃げるか。ちょうど日陰だしラッキー
【闇魔法・我を隠せ・シャドウダイブ】
「さっさと、この場から離れよーっと」
「おい!どっか行ったぞ」
「それにしても顔かっこよかったな」
「そっち?どっち?」
「くそ、油断した。逃げられるとはなんかブツブツ言った瞬間消えやがった」
「幻だったのかな、あのお兄さん」
「どうかな?どうかな?」
「次は絶対捕まえてやる」
「教会はどっちだっけなー、確かこっちだったはずなんだけどな」
「影の中は方向が分からなくなるから大変だ」
急に地面が揺れ僕は突然、地上に出された。
「いってぇ、今何にぶつかった?」
「…おい、貴様何者だ。この先は関係者以外立ち入り禁止だぞ」
「ん?お、教会じゃんラッキー。通り過ぎるところだったわ」
「…い!おい!!話聞いているのか?」
「ん?誰だ?」
「誰だ?とは貴様言葉には気をつけろ、わたしを一般兵と勘違いしているのか?怪しい貴様はすぐに捕まえて牢屋で話を聞いてやるからその場で大人しくしておけ」
「あー、本日教会で適性職検査受けさせていただく
クロンド家のルトと申します。変な入り方をしてしまいすみませんでした。」
「…っえ?貴族の方でしたか、それは大変申し訳ありません。貴族バッチを確認しました。どうぞ中へお入りください。」
「あ、いえコチラが100%悪いので大丈夫です。時間に余裕ってまだありますか?」
「寛大な心に感謝をいたします。お時間でしたらまだ8分前ですので少しお待ちしていただけますと幸いです」
「ありがとうございます。ちなみにお名前って聞いてもいいですか?」
「あ、わたしは第七騎士団副団長のルル・フィストレアと申します。辺境伯フィストレア家の次女ですございます。気軽にルルとお呼びください」
「丁寧にありがとうございます。ルルさん」
一礼だけして、中に入っていった。
「良き青年で助かった、危うく公爵家に手を出してしまうところだった。」
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