第5話 朝は早い
また、夢を見ていた気がした。
最近は起きると覚えていないことが多い為少しモヤがかかる。
「なんだったんだろう」
「なにがですか?すごい汗ですけど」
「いや、なんでもないよニコ」
「…ッチ、もうすっかり慣れましたね」
「毎朝やられてたらね、今は何時?」
「今は朝の6時です。いつもと同じ時間ですよ」
「ありがと、じゃあいつも通りで頼む」
「はーい気をつけて」
僕はクレア先生に稽古をつけて貰った時から
『体力はあって損なし』と言われ続けたので今は朝起き、体操後に町内ランニングを
「おはようございます」
いつも通り色んな人に挨拶をしていく
パン屋のオバサン・野良猫・鍛冶屋のオジサン
漁師のおっさんに酒場のお姉さん、酔っぱらいジジイまでこの町には様々な人が居る。
海に面しているため
走り終わり、屋敷に戻るとタオルを持ったニコが
いつも通り待っていた。
「帰ってくる頃だと思い待ってましたよ」
「ありがとう、風呂に入ってくるよ」
「いってらっしゃいませ、朝食の用意出来ておりますので、いつでも。」
「分かった、汗を流したらすぐ行くよ」
「タオル預かりますよ」
「いや、綺麗にすることくらいできるよ?」
「お手を煩わせるためにはいきませんので」
「そう?ならお願い、じゃあ僕は行くね」
「はい、いってらっしゃいませ」
風呂をあがり、風魔法で髪を乾かして一応セットもしておく。どうせニコに整えられるけど。
「整えてたら少し遅れた」
「いえいえ、大丈夫ですよ?」
ご機嫌がいいニコが少々怖いが朝食を食べることにした。
「なんでウチって朝食は別々なんだろうね?」
「さぁ?朝は三文の徳といいますし、早起きが多かったんじゃないですか?それに時間を合わせてると大変みたいな」
「確かにありそう、三文なんとかは知らないけど」
「まだまだですねルト様も」
「ニコほど生きてないからね!」
「おーっと?ニコを朝から怒らせる気ですか?」
「いつもやられてるお返しだ!」
「あーあ、ニコ傷ついちゃったなー。悲しいなー
こんな時ルト様が優しくしてくれたらなー、機嫌直るのになー。チラッチラ」
「あんまり、チラって見てること言わない方がいいよ?怖いから」
「あー、変なツッコミされたもう無理だー」
「わかったよ、優しくって具体的に何?」
「そんなの、……乙女の口から言わせないでくださいよ」
「別にやばいことじゃないよね?!説明させようとしただけだよ?!やばいことみたいに扱うのやめて?!」
「そんな、乙女の口から言わせるなんて卑怯な男」
「卑怯じゃないからね?この部屋に僕たちしか居ないことを分かっててその発言するのやめてね?誰に聞かせてるの」
「そりゃ、見てくれてる人達ですよ☆」
「こんなやり取り別に求めてないのよ、ストーリーの進行を求めてるのよ見てくれてる人達は」
「誰のことですか?怖いですよルト様」
「怖いのはどっちだよ」
「それで?ルト様何してくれるんですか?」
「ん〜、…分かった。今日の検査2人で行こう」
「…それだけですか?」
「手も繋ぐよ!これでいい?」
「デートも追加で」
「調子に乗るなよ?ニコ」
「わー!怒ったー、ルト様が怒ったー」
「走り回るな、ご飯中だぞ」
「珍しく正論を言われた」
「なんだ珍しくっていつも正しいことしか言ってないだろ」
「??」
「…分かったよ、俺が悪かったからその
「んふ、勝った」
「はいはい、負けました」
ご飯を食べ終わる頃には9時頃になっていた。
「ルト様今日は何時からでしたっけ?」
「11時からだ、一応早めに教会に行けと父さん言われているから10分〜20分前には着こうと思ってる」
「分かりました、では10時30分頃には一応待機しておきますね」
「うん、自由に過ごしておくよ残りの時間」
「では、私は他の仕事を片付けて来ますが何かあればすぐ連絡してください」
「
「失礼します」
「今日は夜まで独りだから暇になるな、何しよう」
「剣を振るうのもいいけど汗かきすぎるとニコに怒られるからな」
「まあ、本でも読んで時間潰すか」
廊下を歩き目的の場所についた。
「今日はいるかー?ばあちゃん」
入口に置いてあるベルを鳴らす。
「おるよぉ〜」
「お?久し振りだね、ばあちゃん」
「おー」
「無理しないでいいよ、今日も本読みに来ただけだから」
「そおか」
「うん、時間になったらベル鳴らして帰るね」
「んー」
「ありがと」
【
【
「さてと、今日も面白い本探しますかー」
「…様ー、ルト様ー、いらっしゃいますー?」
「いるよー」
「あ、もうじき約束のお時間になりますよ」
「あ、マジ助かったわ」
「いえいえ、部屋に時間になっても来なかったので」
「それはごめん。ん?…来なかったって何?待ってたの?」
「?」
「…助かったから今回は許すよ」
「v(・∀・*)」
「ピースするな」
ベルを1回鳴らす。
「ばあちゃん帰るねー」
「そおか」
「じゃあ、またねー」
「失礼します」
「ばあちゃんって不思議だよね」
「不思議というと?」
「変な時にどっか行くじゃん」
「まあ、そうですね?」
「んで、いつの間にか帰ってきてるじゃん」
「そうですね」
「不思議だよねー」
「そうですね」
「…さっきから適当じゃない?」
「そんな事ないですよ?早くしないと間に合わなくなりますよ!ささはやく!」
「分かったよ」
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