第3話 食事

大広間の扉を開けるともうみんな席に着いていた。

「ルトやっと来たか、遅いぞ」

「申し訳ございません、旦那様。ルト様が」

「もういいってニコ」

「はーい」

「ごめん、父さん少しうたた寝してた」

「そうか、頑張ることも大切だが体には気をつけろよ」

「ありがとう」

「じゃあ、みんな揃ったことだし食べるとするか」

みんなで祈りを始めた。色んな人に感謝を述べる祈りらしい、誰かが始めたことで習慣になったらしい


「では、頂こう」

ご飯の時はみんな無言で食べる。

これも習わしなんだとか。

食べ終わると果物と飲み物が運ばれてくるので食べながら父さんが子供たちと話をする時間になる

「今日は何をしていた?まず、レイ」

「今日は町の見回りに行ってました、ここ最近魔獣の目撃情報が多数報告されていて気になったので明日は森の方にも足を運ぼうと思ってます」

「そうか、何かあってからでは遅いでな気をつけるように」

「はい、ありがとうございます」

「次に、ラヴィ」

「私は特にこれといったことはしてないわ、強いて言うならルトとお風呂に入ったくらい」

「そうか、なら明日は何か出来るといいな」

「はーい、頑張ります」

「次に「ちょっと待ってください父さん」

「なんだ?ルト」

「今すごいこと言ってましたよ?」

「ん?風呂に入ったんだろ」

「僕とですよ?」

「うむ、いいでは無いか裸の付き合いなんとやらだぞ」

この親にしてこの子ありか。

「いや、ダメでしょうもしも血迷って手を出したらどうするんですか?」

「まあ、いいんじゃないか?血繋がってないし」

「そんな適当な」

「まあ、一旦置いておくぞその話は」

「ルトは今日なにをしたんだ?」

「今日もクレア先生に負けました」

「そうか、良かったな」


「ん?」


「他に無いなら今日は解散とするぞ、ワタシも忙しいのでな」

「「はーい」」

「では、おやすみ夜更かしはしないように」

「「はーい」」

父が使用人数人を連れて部屋を出ていった

「ニコはどうする?」

「先に戻っておきます。いつも通りお話するでしょう?」

「この感じじゃ長そうだから僕も行きたい」

「ここで私が連れて行くと怒られそうなので自分で戻ってきてください」

「そんな〜」

「では、ニコはここで失礼します。レイ様ラヴィ様おやすみなさい。」

「置いてかないで〜(涙)」

「それで?ルト?ラヴィとお風呂に入ったって言うのは本当なんだね?」

「いや〜「本当よ?ね?ルト」

弁明もできん。

「私たちは裸の付き合いをしたのよ?羨ましいでしょレイ」

「なんで僕とは入ってくれないのにラヴィとは入るんだい?ルト」

「いや、入ったというか居たというか」

「またかい?ラヴィ?転移はそんなことに使うものでは無いと教えたはずだぞ、入るなら堂々と入れ」

「今回は使ってないわよ、前回あんなに怒られたのに使うわけないわ」

「でも、居たって言ってるぞ」

「ルトが考え事しながら入るからでしょ?気配察知は家でも使っておかないと」

「家は安全だろ、普通」

「確かにラヴィの言う通りだな」

「レイ兄さんも納得しないでくれ」

「でも、一緒に入ったことは認めるよなラヴィ?」

「それは認めるわ、いい身体してたわよ」

「姉さん鼻血を出すのはやめてくれ」

「なんで名前で呼んでくれないの!」

「なんで呼ぶんだよ」

「レイはレイ兄さんって呼ぶくせに!」

「ふっ、ラヴィそこは男と男の兄弟愛があるってものだよ」

「愛なら私の方があるに決まってるわ」

「僕も負けてないけどね」

また、言い合いが始まった。

「帰るか」

隙を見て帰ろうとするがレイ兄さんの力によって元の場所に戻された。

「まだ、途中だ帰ろうとするな」

「そうよ、今日こそ独り占めするんだから」

「それ決まってからで良くない?」

「「駄目!」」

「はい。」圧に負けた

この時間が小一時間程続いたという。


「なんとか、逃げれた。あの二人ヒートアップすると怖いんだよな」

「はやく、戻ろ」


自室に戻ると布団にあからさまな膨らみがあった

が、面倒だったのでそのまま倒れ込むことにした。

「どうせ、ニコでしょ?」

布団をめくるとなぜか姉さんがいた

「え?なんで?」

「当たり前じゃないのあんな男と2人っきりは居たくないわよ」

「いや、そこじゃなくてなんで居るの?さっきまで大広間いたよね?」

「居たわよ?でも、いなくなったからやめてきた無駄な争いは嫌いだからね」

「また、転移して怒られても知らないよ?」

「えー!庇ってくれないの?(涙)」

「嘘泣きですやん、怒られたくないなら止めようね」

「ルトになら怒られてもいい、何してもいいよ」

「手を広げるな!足をくねくねさせるな!布団の匂いを嗅ぐんじゃない!」

「大丈夫よ!今は二人っきりだから!」

「そういう問題じゃなーい」

ガチャりと後ろの扉が空いた。

「ルト様ー、ニコが添い寝に来ましたよー」

「もうこれ以上ややこしくするな!ニコ」

「あらあら、ニコもう添い寝の相手は決まってるから戻っても大丈夫よ」

「なんで、ラヴィ様がいらっしゃるですか?私のルト様の絶対領域であるベットを使わないでください?というか入れないように結界も張ってありましたよね?」

「あんな、結界を結界と呼べないわよ」

「もう、分かりました!けどラヴィ様着替えなくていいんですか?ルト様は薄着の女性がタイプですのに」

「何を言ってるんだい?ニコさんや」

「隠してる本のことバレバレですよ?ニコがタイプなら言ってくださればいいのに早く寝ますよ坊や」

「分かったから、ほんとにやめてくれ。あと姉さんも一瞬目を離した隙に着替えを済ませないでくれ」

「早く寝ましょうよ」

「そうですよ?早く寝ましょう坊や」

「坊やって呼ぶなニコそんな趣味は無い」

「え、でも年u「分かった!一緒に寝るからそれ以上喋るな」」

「フフ、今日も勝ちですね」

「ルト?ニコと仲が良すぎるんじゃ無いですか?

お姉ちゃん寂しいです。あとニコ?ルトの性癖はちゃんと教えてくださいなズルいですよ?」

「ズルいとかないからホントに早く寝るよ!」


今日も騒がしい1日だった。これが明日からも続くと思うと寒気がする。

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