第2話 セクハラ紛い

先生と別れたあと、稽古で出た汗を流すために風呂へ行くことにした。

「いつも通りご用意してありますのでお楽しみください」

「ありがと、気が利くね」

「いつもの事ですから」

と、使用人に言葉をかけられ自室に木刀を置き着替えを持って風呂に来た。


「今日も勝てなかったなー」(ゴシゴシ)

「今日はどのように負けたのですか?」

「いつも通りの全力出したのに手も足も出なかったな」(ゴシゴシ)

「そんなに強いのですねあの先生は。でも稽古は

いつも楽しそうですよ」

「楽しいが負けることは気持ちよくは無いからな」

「そうですか、私と稽古してくれてもいいのに」

「風呂あったけー」

「温かいですね」

「…あの、、姉さん」

「ん?なんでしょう?」

「ヌルッと入ってるの止めてもらえる?」

「いいでは無いですか、姉弟水入らずで話しましょうよ」

「いや、話すことは大切だと思うよ?ね?でもここお風呂ね?」

「はい?それが何か?」

「いや、なにかって男女別けられてるのになんでこっちに入ってるのかなー?なんて思ったりして」

「それは、稽古で傷ついた大切な弟を放っておく程酷い人ではないからですよ?」

「んー、裸である必要は?」

「裸の付き合いがなんとやらでしょう!もしかして興奮してしまいました?いいですよ?弟の頼みですし受け入れましょう」

「いやいやいやいや、近寄らないでそれ以上もう姉さんの間合いに入ってるのは分かるから、ほんとに」

「あら?人のことを化け物みたいな扱いしてそんな子に育てた覚えは無いですよ?」

「姉さんに育てられた覚えはないよ?」

「そんな!小さい時はあんなにお姉ちゃんお姉ちゃんって暇さえあれば声をかけてくれたのに、お姉ちゃん悲しい。」

「泣き真似もやめてね?それなん何十回目だからもう効かないよ?」

「チッ」

「あ、舌打ちした」

「してませんよ?淑女ですから私は」

「淑女は男の人とお風呂に入らないでくださいね」

「なら今淑女は辞めました」

「あの、もう降参するから一旦落ち着こうねどうせ後で話す時間なんていくらでもあるから」

「って言いながら貴方最近稽古ばかりですぐ寝ちゃうじゃないですか!」

「いや、ほんとにそれはごめん疲れてるんだよね」

「今日という今日はお姉ちゃんと一緒に寝てもらいますよ」

「んー?話が通じてないね。兄さんに言って止めてもらうからね」

「やってみなさい、すぐ自分が間違えていたと認めさせるから」

「僕はもう出るから、また後でね」

「私も出ます、もう少し二人の時間を楽しみたかったのですが邪魔が来そうなので」

「いや、タオルくらい巻いてくれる?湯気のおかげで見えてないけど服着る時は見えちゃうから!」

「そんな細かいこと気にしないの、戦う時に相手の身体を見るんですか?」

「いや、見ないけど今戦いの時じゃないからね?

普通の日常だよ?」

「細かいことは気にしないの」

「分かったけどそんなにジロジロ見ないで姉さん」

「貴方いい体してきましたね」

「それはありがと(怒)!」


落ち着くために風呂に行ったのに落ち着けなかった

それにしても姉さんもスゴい身体してたなと思い出しながら自室に戻ることにした。

夕食まで時間があったので木刀の手入れと明日までの課題をやりながら時間を潰していた。


夕食ができると使用人が呼びに来てくれるのでいつも助かっている。

「…ト様、ルト様、夕食が出来ましたのでお呼びに参りました」

「いつもありがとう。ニコいつの間にか寝てたみたいだ」

「いえいえ、寝顔が見れて最ko…ゲフンゲフン

最高でしたので大丈夫ですよ?」

「全然隠せてないからね?それ」

「?」

「何を言ってるんだ?って顔やめてね」

「夕食が出来ましたので呼びに来ました」

「振り出しに戻った!」

「?」

「もういいよ、分かったすぐ行くよ」

「わかりました、後その立派なモノをお冷めてからの方がよろしいかと」

「そんな、冷静にやめてくれ。あと気づいても言わないでくれ恥ずかしい」

「私を処理に使う?そんな……命令でしたら聞きますよ?」

「手を出す気もないから服を脱ごうとするな、すぐ行くから先に行っててくれ」

「分かりました。では、旦那様には報告しておきますね」

「待て待て、なんの報告だ一緒に行くから待て」

「早くしてくださいね?え?やっぱり私を使いますか?」

「もういいって、ほら行くぞ」

「あら、ご立派だったものがこんなにも可愛らしく」

「ニコそれはセクハラだぞ?なんでこれが訴えられないんだ」

「私が女性でルト様が男性だからですね」

「時代に抗う発言はやめてくれ怖い」

「なんのことですか?」

「なんでもない、早く行こう怒られる。」

「はい」

なんでこんなに僕の日常は濃いのか

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