第2話 夜間中学とは

1947年、戦後の混乱で昼間中学へ通えない生徒のために、大阪の生野第二中学校で「夜間学級」として応急的に設けられた学びの場であり、自主的な(非正規・非公認)学校(学級)であったようです。そして、日本全国でこれに賛同する教職員が自主的(ボランティア的)に立ち上げ、1954年には夜間中学数87校、生徒数5,208人にまでになった。

ところが、1966年、行政管理庁は文部省に対し「夜間中学は学校教育法に定められていない学校であり、法律違反である」として「夜間中学早期廃止勧告」を出した。

これに対して、東京荒川九中を卒業した高野雅夫さんという方が「夜間中学をなくしてはならない。文字は生きるための空気だ。」という名言を掲げ、自主製作映画を作って全国を行脚した結果、1969年、正式に天王寺夜間中学が誕生しました。

夜間中学の生徒資格は「戦争・貧困・病気等で義務教育を満足に受けられなかった人たち」ということになっていますが、現在では日本語を学ぶ事を目的とした外国人が多いようです。

今回訪問させて戴いた夜間中学も、生徒数37名全員が中国・タイ・アフガニスタン・コロンビアといった外国人で、結婚や難民として日本に住むことになり、日本語を勉強するために夜間中学で授業を受けられているそうです。ですから、その人の都合によっていつでも入学できるし、いつでも卒業できる、というシステム。

彼らは、月曜から金曜、毎日17時半から21時まで授業を受けられておられるそうです。皆さん、昼間仕事をしてからですから大変です。


 2015年になって、ようやく文部科学省が夜間中学というものを認可したようです。

 「2024年の時点で、公立の夜間中学は48の県市区に53校あり、約1,820人が学んでいる。また、自主的に夜間中学を営んでいる自主夜間中学や識字講座等は全国に590ヶ所あり、約7,400人が学んでいる。」

         <以上、文化祭のパネル表示から>

2024年11月18日

V.1.1

平栗雅人

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