第18章
第51話
店の入口に【本日休業】と掛け札がしてある。
緑は来たかった。 陸斗が元、居た家に。
自分が踏み込んではいけない領域だとわかっていながら、陸斗の全てが知りたかった。
諦めて引き返そうとしたその時、
「仁ノ緑さん…ですか?」
背後から聞こえたその声に、驚いて緑が振り向くと、そこに徹が立っていた。
どこか陸斗に似たその顔を見て、緑はすぐに弟だとわかった。
だがなぜ、私の名前を知っているのだろう。
「あ、私 お店に来たかったのですが、お休みだったんですね。ごめんなさい、失礼します」
緑が狼狽えてその場を去ろうとすると、
「時間、大丈夫でしたら 少し話しませんか?」
と 徹が引き留めた。
(彼は私達のことを知っているのかもしれない)
少し怖かったが、緑は事の真意を掴みたくなった。
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