第2章

第4話

家に着くと リビングに居た母の 青井 美愛子あおい みえこが私達に気付き、驚いた顔をした。



「あらまぁ 陸斗さん、どうしたの? 今日は確か 外来の日じゃなかった?」



「こんにちは。はい、そうですが 午前中 瀬里香が病院に来ていて、何かお義父さんやお義母に大切な報告があるそうで 1人じゃ心細いから一緒に来てって言わたので ついてきました」




あれっ?……さっき言ってたことと違わない?


…ま、いっか。別に間違ってはいないしね。




「まあそうなの。ごめんなさいね、お忙しいのに。この子ったら いくつになっても甘えたで。

さ、どうぞ ソファにおかけになってて。今何か冷たい飲み物をご用意するわ。外は暑かったでしょう? もうすぐ主人も戻ると思いますから」



「こちらこそすみません。突然押しかけて」




暫くして、父の 青井 勇次郎あおい ゆうじろうが午前中の診察を終え、リビングに入って来た。


「おお、陸斗君。いらっしゃい」



「お邪魔しています」


陸斗はソファから腰を上げ、父に深々と頭を下げた。



「2人から、何か大切な話があるそうよ。

 さ、どうぞ 」


父にそう言いながら、母はテーブルの上にアイスレモンティーを置いた。



「そうか、何の話だろう。いい話かな?」


そう言って 父は低い声で笑った。

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