いたずらっ子

ヴィクターの目が鋭く細まり、何かを見つめるように空中を凝視していた。

「北西の交差点、午後3時...お前、気をつけろ。」

「それと......あぁ頭上に注意しろ。」

その声には、いつものふざけた調子が全くなかった。


オレは喉の奥で息が止まるのを感じた。

「それ、本当なのか?」

ヴィクターは一瞬笑い、いつもの調子に戻る。

「さぁな、ただの妄想だよ。」

彼は肩をすくめ、空になった瓶を雑にテーブルに置いた。


でも、その笑顔の裏に、どこかしら確信めいたものが隠れているような気がしてならなかった。


次の瞬間、オレの頭上に何かが落ちてきた。これは....椎茸だ。

「おい、ヴィクター、お前さっきコレが落ちてくるの見えてただろ!?キノコマニアめ!」

ヴィクターはほくそ笑む。

「言ったろ(笑)」

ヴィクターはこんないたずらをよく仕掛けてくる。

予言の午後三時もなにか仕掛けるつもりなのか。

オレはため息付きながら呟く。

「くだらんな。」

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